この作品を読んでもまだ、生活保護受給者を「甘え」だと言えるだろうか。『健康で文化的な最低限度の生活』
「生活保護」という言葉を聞いて、いいイメージを抱く人はどれだけいるだろう(そもそも、いるのだろうか)。「それは国民の権利だ」と頭ではわかっていても、いざ「生活保護で暮らしています」という人と対面したら、やっぱり心のどこかで「ずるい」とか「怠けている」と思ってしまう自分がいるのではないか。 正直、私は「いや、生活保護は国民の権利だから、決して責めるような気持ちは抱かない」と言い切れる自信がなかった。生活保護に関するニュースとして耳に入ってくるものの多くが、不正受給絡みだったということもあるだろう。 しかし、2018年7月に吉岡里帆主演でドラマ化もされた作品『健康で文化的な最低限度の生活』を読んでから、少し自分の中で感覚が変わったように思う。