その「性的すぎる肉体」が女を“敵”と“味方”に分けてしまう『ひばりの朝』
Instagramを見ていると、どう考えても“遠近法”を使って自分の顔を小さく見せようとしているな、という女の子が山ほど出てくる。心底仲がいいと思っている友達とプリクラを撮りに行っても、シャッター音が鳴るたびに彼女が半歩後ろに下がっているのに気づいて辟易とする。彼氏ができたという話を母親は喜んで聞いてくれるが、あんまりにも幸せそうなノロケ話になると途端に「女」の表情になって心が離れていくのがわかる。親ですらそうなんだから、友達に「彼氏にされて嬉しかったこと」なんて言えるわけがない。 自分よりも幸せそう、自分よりも可愛い、自分よりもモテそう……誰かに対して「自分よりも」という言葉を使って比較しようとした瞬間、相手と私の間に対等な関係はない。そこにあるのは、マウンティングが前提の敵と味方に分かれた世界だ。