古賀 詩穂子 「古賀 詩穂子」の記事

レビュー

朝の通勤で読むならこれ!な、ショートストーリーズ『カフェでカフィを』

はじめてこの漫画を書店で発見した時、萩尾望都先生のエッセイ『思い出を切りぬくとき』(河出書房新社)の中にある「ホットコーヒーの話」を思い出した。   それは萩尾先生が学生時代に喫茶店でアルバイトをしていた時、外国人のお客さんに「カフィ」と注文され、「コーヒー」を「カフィ」と発音することを初めて目の当たりにし戸惑ったというお話だ。

まとめ

涙腺崩壊!一人きりのオフタイムに読みたい家族がテーマの漫画3選

我が家は涙もろい人が多い。小学生のころ「奇跡体験 アンビリバボー」や「3年B組 金八先生」など感動するテレビ番組を観て家族みんな鼻をすすっている風景が当たり前だった。その風景を見てどこか冷めていた私は出る涙も出ず、中学生のころまで「ドラマや映画で泣いたことがない」ということが密かな自慢であり意地になっていた。(今考えるとなかなか捻くれているなと思う。)その意地は大人になっても引きずられており、今でも映画館など人前で感動して泣くことには恥じらいを感じてしまう。

レビュー

生きづらいな、と思ったら読みたい漢方系漫画『違国日記』

私は、大学生のころから「フットワークの軽い根暗」というキャッチコピーを自分につけている。 飲み会やイベントが好きで、だれかに会うのはうれしいし呼び出されれば可能な限りどこにでも向かう。 一方、家に引きこもることも大好きで、好きなだけ漫画を読んでアニメを観てお絵かきをしていたい。「だれにも会いたくないなあ」なんて思うこともしょっちゅうで、そんな自分の心の中の陰陽なギャップを自覚する時、他人との関わり方が下手なのではないかと不安になりもやもやする。 最近、そんな気持ちをすっきりさせてくれた漫画がある。ヤマシタトモコ先生の『違国日記』だ。

レビュー

癒し系恋物語の名手が描いた新境地!まったく癒されない恋物語『はじめてのひと』

谷川史子という漫画家をご存知だろうか。1986年に『りぼん』でデビューして以来、数多くのヒット作品を生み出してきた超ベテランの人気漫画家である。彼女は「好き」を巧みに表現する。スマホの着信ディスプレイに好きな人の名前が出てきたときの胸がきゅってなる感覚や、なでられた時の感触を思い出してふわふわする感覚みたいに、「好き」の気持ちをみずみずしく描く。 『清々と』を読むと、口角が上がっている自分に気づく。 『おひとり様物語-story of herself-』は何気ない日常を優しさに溢れた出来事に変換してくれる。 まさに癒し系恋物語の名手なのである。

レビュー

疲労困憊アラサーを救う男子高校生の日常漫画『あちらこちらぼくら』

通勤電車って、社会の歯車に乗せられているみたい。帰宅ラッシュの車内はもはや戦場から帰る兵士の一人の気分。 そんな通勤を繰り返していたある日、出会いました。 この疲労を忘れさせてくれ、なおかつ癒しを与えてくれる漫画に。 今回は、『あちらこちらぼくら』を紹介したい。