たまごまご 「たまごまご」の記事

レビュー

並んで待つことで生まれる少女たちの友情もある!『待機列ガール』

『待機列ガール』は、日本でも類を見ない、並ぶ漫画だ。 しかも「行列」ではない。待機列だ。始まる前に形成された列の中、止まったまま数時間を過ごすという、過酷極まりない空間。 本作はとても漫画の題材にならなさそうな題材をテーマに、思春期の友情、自らの成長、日本の行列文化等を巧みに見せるエンタテインメントになっている。

レビュー

絶世の美少女、友達が0人です『古見さんは、コミュ症です。』

漫画『古見さんは、コミュ症です。」で使われている「コミュ症」の文字は、ちょっと変わっている。この漫画でしか出てこない造語だ。 本来ネットで使われているのは「コミュ障」「コミュニケーション障害」。「コミュニケーション障害」は、実際ある病気の名前。最近はネットスラングで「コミュ障=人としゃべるのが苦手な人」と使う場合が圧倒的に多い。   この作品に出てくるヒロインの古見硝子(こみ・しょうこ)は、極端に人と話すのが苦手な子。だから、一般的には「コミュ障」と表記されるかもしれない。けれどもこの漫画はあえて「コミュ「症」」を使っている。障害ではないよ、乗り越えられるものだよ、という優しい視線を感じる。

レビュー

『ガタガールsp. 阿比留中生物部活動レポート』キラキラした目の生物マニア女子に恋をするのはしかたない

小原ヨシツグによる、生き物ガチ勢な中学生のドタバタコメディ『ガタガール』。テーマが干潟というコアさが人気だったが、実は一度2017年4月に完結した漫画。連載終了が決まってから、Twitterで1万RTしたら連載復活、という応援企画が持ち上がり、見事復活を遂げた作品だ。 そのため『ガタガールsp. 阿比留中生物部活動レポート』は『ガタガール』1、2巻からの完全な続編。とはいえここからでもちゃんと楽しめるようになっている。

レビュー

『KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ』日常系の主役になれない死刑囚の少女たち

日常系作品の世界は、漫画好きが憧れる世界の1つだ。友達と過ごすゆるふわな日々の幸せ。 『KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ』は死刑囚が集められた女子監獄の物語。凶悪犯だって日常系でゆるふわしたい! …というコメディの皮をかぶった、リアルを描く劇薬的な作品だ。

レビュー

あの子と一緒に全部体験して思い切り笑いたい『さぐりちゃん探検隊』

『さぐりちゃん探検隊』は、表紙の引力がすごい。 ヒロイン・さぐりの探検スタイル。極めて健全なはずなのに、ボディラインの問題なのかものすごく艶めかしい。そして彼女の、太陽のような満面の笑み。この1枚だけで、周りから愛されている子なのがひしひしと伝わってくる。一緒にでかけよう、と今にも手を引いてくれそうだ。

レビュー

盲目の美女はいつも笑いながら、誰とでも麻雀を打つ『笑うあげは』

身体障害者を漫画で描くのは、まだまだ難しい。差別表現になってはいけないし、かといって過度に持ち上げるものでもない。フラットに扱うのはなかなかに困難だ。   田中ユタカ『笑うあげは』は、麻雀好きな盲目のヒロインを描いた作品。そもそも麻雀のような目が一番モノを言う遊戯を、盲目でできるのか? そこの描写こそが、痛快であり、かつ人が生きる姿勢を表現するものになっている。

レビュー

三大欲求満たされてないのに仕事なんかできるわけないやろ!『憂鬱くんとサキュバスさん』

うつ病の悩みの1つが、激しすぎる自責。   人に迷惑をかけて申し訳ない、働かない自分は怠慢だ…と心を痛めてしまう。実際は周囲の人は誰もそんなこと思ってはいないもの。必要なのは「んなわけあるかい」とバッサリ切って、平常通りに接してくれる人だ。

レビュー

地球が滅びる少し前に、引き篭もり少女は家を出て、少年は銃を乱射する『メランコリア』

道満晴明は、群像劇マンガの名手だ。多くのキャラクターの視点を、短編物語として切り取って淡々と描くことで、世界全体に漂う、スラップスティックな躁と、消すことのできない悲しみを表現していく。   『メランコリア』はこの道満晴明節が全開になっている作品。各話のタイトルの頭文字はアルファベット。地球滅亡へのカウントダウンは、おそらく全26話だ。

まとめ

夏に向けて読んでおこう 褐色肌ヒロインの魅力を味わえる漫画特集

褐色肌のヒロインは、昔から漫画作品の花形。メタな話だと、そもそも褐色キャラはトーンが面倒くさく、漫画家の負担が非常に大きい。それなのに増えつつあるということは、作家側が褐色っ子に思い入れがあり、読者も求めているからだ。   今もホットな褐色少女キャラを何人かご紹介。