厄介だけど、愛おしい。突っ走り系ヒロインの漫画たち

まとめ

皆さんは読みたい漫画をどうやって選びますか?

話題になっている。雑誌で見かけた。センスのいい先輩から教えてもらった。など色々あるかと思いますが、重視する要素の一つとして「ヒロインがかわいいかどうか」があるのではないでしょうか。

「かわいいは正義」という名コピーがあるように、かわいい存在は正しい。
つまりかわいいヒロインが登場する漫画 はそれだけで読む価値があるというわけです。

ですが、本サイトにたどり着くほどの漫画好きの皆さまにおいては、単純に見た目がキュートなだけのヒロインでは物足りないことでしょう。

そこで今回はただかわいいだけでなく、ちょっぴり厄介な性格のヒロインが登場する漫画をご紹介したいと思います。

正論豪速球の暴走武闘少女『金剛寺さんは面倒臭い』

金剛寺さんは面倒臭い
©とよ田みのる/小学館

この漫画の舞台は地上が地獄とつながってしばらく経った現代。
街には人と地獄の鬼たちが自然に混じり合って暮らしています。
彼らは人と同じようにお腹が減ったらごはんを食べ、お金を稼ぐためにバイトをして、かわいい女の子がいたら恋をします。

『金剛寺さんは面倒臭い』の物語は、鬼の少年・樺山プリンくんが、人間の柔道少女・金剛寺金剛さんに出会うところから始まります。

二人が出会ったその瞬間、近くにいた妊婦さんが突然体調不良に。
協力して処置にあたり、事なきを得たのですが…金剛寺さんの反応はとんでもないものでした。


超めんどくさい…

彼女は、自分は「人の心が読めない」と自嘲します。
そこで規範に従った行動を「正しさ」に基づいて実行しているのだそうです。
しかし、そんな彼女の正しさと強さに樺山くんはハートを撃ち抜かれ、勢いで告白してしまいます。

コミックス1巻の表紙が、その回答の盛大なネタバレなのですが大丈夫です。
そこに至るまでの経過が超「めんどくさく」て愛おしいのが本作の魅力です。
第一話を読んだら「勢い」で続きを読んでしまうと思います。

まっすぐだけど見栄っ張りヒロインの『星野、目をつぶって。』

星野、目をつぶって。
©Kohei Nagashii/講談社

美術部なんだから、メイクできるでしょ!?
そんな雑な依頼で、クラスメイトの星野さんのメイクを請け負うことになった主人公の小早川くんが奮闘する漫画、『星野、目をつぶって。』

人にやってもらわなければいけないほどメイクが下手なのに、メイクをした顔じゃないと友達が仲良くしてくれないと思っている星野さん。彼女のすっぴんを知るのは一部の人だけです。

しかし、星野さんはとある事情で身につけた信念から、困っている人を見捨てることができません。そのため問題に首を突っ込みまくってしょっちゅうメイクが落ちてしまいます。
小早川くんは、文句をこぼしながらもそんな星野さんをフォローしていきます。

タイトルの「目をつぶって。」は、小早川くんが星野さんにメイクをする前の用意の言葉。

だと思っていたのですが、その意味は二人の関係性が変わるのに伴ってじわりじわりと変わっていきます。その初々しさ、勇気、様々な感情が伴った用法変化が、読んでいてたまりません。

こんな高校時代を送りたかったぜ…とチクリと胸にきつつも楽しく読める名作です。

気になるあの子は、偏愛眼鏡美人『眼鏡橋華子の見立て』

眼鏡橋華子の見立て
©松本救助/講談社

眼鏡をかけている人で溢れるこの世の中。
しかし、眼鏡について深くこだわりをもった人はあまり多くありません。

そのためか、ほとんどの人が自分に合っていない眼鏡をしている…『眼鏡橋華子の見立て』の眼鏡橋さんは、そんな問題意識と深すぎる眼鏡愛をもちながら、眼鏡店の店長を務めるヒロインです。

眼鏡橋さんは超美人さんなのですが、作中では驚くほど眼鏡の話しかしません。
自分が店主を務める眼鏡屋ではもちろん、合コンに行ってもどこに行っても話題を眼鏡にすり替えて喋りまくります。
しかし「お客様が極上の一本に出会った瞬間に立ち会うたびに…欲情してしまいます」とこぼすときの彼女の表情は、やはり美しい…。
かつて『メガネ画報』という短編集も描かれていた松本救助さんならではの眼鏡美人、最高です。

また、一話につき必ず1本は「こんな眼鏡があるのか!」と驚かせてくれるのもこの漫画の魅力。紹介される素敵な眼鏡は実際に購入できるものなので、最近しばらく眼鏡を変えてないな…という方もぜひご一読を。

というわけで、かわいいだけじゃなく、一味違った魅力をもったヒロインたちが登場する漫画でした。我が道を突っ走る彼女たちのストーリーを、ぜひとも追ってみてください。

金剛寺さんは面倒臭い/とよ田みのる 小学館
星野、目をつぶって。/永椎晃平 講談社
眼鏡橋華子の見立て/松本救助 講談社