「宝くじ当たったらどうする?」
この前、友達にそう聞かれたときに詰まってしまいました。
あまりに古典的で、間を持たせるためだけの大したことない質問です。
しかし、答えなくても問題なかったのですが、スパッと意見を述べることができない自分にショックを受けてしまいました。
僕は、お金に対して何も考えていないのではないか。
このままでは宝くじでなくても、いざお金が入ったときにアタフタして失敗する…!
そんな焦りを覚えて、メンタルだけでもお金持ちになっておこう。
そう思い、漫画に頼ることにしました。
というわけで今回は、読めばお金持ちの気持ちがわかるかもしれない、マネーをテーマにした漫画をご紹介したいと思います。
中高生が3000億円を運用!?『インベスターZ』
『インベスターZ』の作者は、『ドラゴン桜』など本質を突いたセリフの多い作品で知られる三田紀房さんです。
『ドラゴン桜』では偏差値30の高校生たちが東大を目指すという驚きの設定の中で、学びに関する名言が数多く飛び出ていました。
こちらの『インベスターZ』は、高校生たちが投資をする漫画。
物語は、主人公の財前が超進学校の道塾学園に入学し、入学当日に先輩に拉致され、「投資部」へ強制加入させられるところから始まります。

道塾学園は、全生徒の授業料が無料。
その理由は「投資部」の優秀な生徒たちが投資で運用益を稼いでいるからなのです。
高校生たちが3000億円を運用するというぶっ飛んだ設定ですが、よく考えたらお金は誰が持っていても使っても同じお金。
だからこそ、大きな金額でも、財前たちのような若者のほうがより純粋にそれを扱うことができるのかもしれません。
それを最もよく象徴しているのが、投資部キャプテン神代の、このセリフです。

お金は大事なものだという「常識」が、結局お金を見る目を曇らせる。
それが失敗につながるということですね。
投資をしていなくても、胸に刻んでおきたい言葉です。
金利で暮らす…それは死人の考えだ!『銀と金』
『銀と金』は、裏世界で暗躍する男の周囲で巻き起こるストーリーを描いた福本伸行さんの名作です。
主人公の森田は「銀王」の異名を持つ銀二と出会い、信じられないような桁数のお金が飛び交う裏社会の現場へと駆り出されていきます。
そこで森田が学ぶのは、極限状態における人間の精神状態の操り方や、人生哲学。
作中の銀二が発する名言の数々は、現実のビジネスにも応用ができそうなものばかり。
下手な自己啓発本を読むよりも、よっぽどためになる哲学を学べますよ。
中でも、この50億もの資産を仕手戦(株の売買での争い)で失ってしまった男のセリフは、僕のような庶民には計り知れないながらも、説得力溢れるものでした。


50億なんて持ってたら、ついつい守りに入ってしまいそうですよね…。
しかしお金持ちは、お金を目的ではなく手段としてドンドン使えるからこそ、それがお金を生み、お金持ちになれるということでしょうか。
いくら貯金するかではなくいくら稼ぐか。
その面白さを理解できるようになりたいものです!
お金を持つと人は変わる。でも、こんなに変わるものか…!『ゴールデンゴールド』
『ゴールデンゴールド』は、瀬戸内海の小さな島にやってきた謎の「フクノカミ」を中心に繰り広げられる奇妙な物語です。この作品では、「お金持ちになること」の裏側が描かれています。
主人公の琉花の祖母は小さな民宿と雑貨屋を営んでいるのですが、フクノカミが訪れてからは、なぜか異常に客がやってくるようになります。
人のいい普通のおばあさんだった祖母。
しかし、売り上げが上がるにつれて、その様子は変わっていきます。


幼馴染と札束を出して交渉したり、雑貨屋をコンビニに建て替えたり…。
しまいには、顔がフクノカミそのものに見えるときも。
そんな祖母とフクノカミを中心に、島の中は少しずつ、しかし歪に変わっていきます。

お金を儲けることはいいこと、正しいことのはずなのに。
『ゴールデンゴールド』の「お金持ちの考え方」は、反面教師として覚えておきたいところです。
以上、お金の漫画3作品でした。
お金は良くも悪くも、人間の考え方に大きな影響を及ぼします。
手痛い失敗をしないよう、こんな漫画たちを読んで自身の金銭感覚を磨いてみてはいかがでしょうか。
『インベスターZ/三田紀房 コルク』
『銀と金/福本伸行 フクモトプロダクション』
『ゴールデンゴールド/堀尾省太 講談社』