レビュー

すべての会社員に刺さる『ウサギ目社畜科』は、フリーライターにも刺さる内容だった

長時間労働にパワーハラスメント。プライベートの時間や、ときに自尊心をも犠牲にしながら働き続ける人々の悲哀を描いた「社畜もの」は、いまや漫画界の一大ジャンルと化している。 まじめに労働問題に切り込む作品も中にはあるものの、大半は社畜あるあるネタが中心のギャグ漫画だ。笑い話にでもしなければやっていられない、ということかもしれないが……。 『ウサギ目社畜科』も、そんな社畜コメディのひとつ。キャラクターたちの社畜っぷりはかなり深刻だが、絵柄のかわいさでだいぶ中和されている。

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イケメン“悪魔”が生活改善をサポート!?睡眠導入コメディ『はたらけ!睡魔さん』

突如やってくる強烈な眠気。それは、大事な会議中だったり、終わらせないといけない仕事の最中だったり……。筆者自身、納期が迫った仕事を前に、眠りの誘惑に負けた夜もしばしば。「明日の自分がなんとかしてくれるはず」と高をくくって、翌日後悔したことがほとんどだ。睡眠欲は、結構な頻度で僕らの邪魔をする。“睡魔に襲われる”という言葉があるけれど、これは言い得て妙。急に訪れる眠気は、確かに悪魔の仕業みたいだ。

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「このBLがやばい!」1位。 潔癖症に立ち向かう恋のセラピー『テンカウント』が、今も多くの人を魅了するワケ

ボーイズ・ラブ(BL)の年間ベストとして毎年刊行されているムック『このBLがやばい!』(宙出版)。その2016年度版で1位を獲得し、ドラマCD、ゲームなどメディアミックス展開もされ、今年3月にアニメ化も決定した『テンカウント』。既に完結している作品にもかかわらず、ここまで人気なのは、いったいなぜ? それは、腐女子ではなくても楽しめるストーリーと、ゾクゾクするような駆け引きにありました。最近、BLは短編ものばかり読んでいた筆者ですが、本作はその面白さに一気読み。主役2人の関係性もツボです! 未読の人にもぜひ知ってほしい、本作の魅力的なポイントを紹介します。

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学習障害のこと、知ってる? ディスレクシアの少年マジシャンの物語『ファンタジウム』

ここ5年ほどの間に社会的な関心が高まっている事柄のひとつに、発達障害があると思う。 当事者による手記やコミックエッセイが多数刊行されたり、SNS上での情報発信も盛んに行われている。 しかし、ここまで発達障害への注目が集まる以前に、その一種である“学習障害”に焦点を当てた漫画があったことをご存知だろうか。

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恋とは一体なんだ? 「恋の定義」を求めて『恋は光』を読んでみた

頼む、助けてくれ。 当方、生まれてこの方童貞の青年紳士26歳。 恋とは何なのか、未だにわかっていない。   道ですれ違う女の子を見て、「あ!可愛い!好き!愛してる!結婚したい!」って思う気持ちは、恋なのだろうか。 画面の向こうの満島ひかりを見て「あ〜〜〜〜〜〜生まれ変わりてぇ〜〜〜〜〜〜」と思う気持ちは恋?   恋ってなに? 妄想? 幻想? 髪にワックスつける奴だけが味わえるやつ? ねぇなんなの? 教えてよ。   「恋とは何か?」の解答がないと、最近、俺周辺の恋のインフレーションが止まらないのだ。   お釣りを渡すときいつも手を添えてくれる近所のコンビニ店員に、暴走した恋心を抱いて妙なアクションをしてしまう前に! 恋の定義をくれよ!!

まとめ

干物女向け・やる気スイッチを押したいときに読む漫画3選

朝は5:00に起床してお花に水をあげてヨガをして、家事を終えたら豆から拘った珈琲とモーニング。 さて、1日のスタート☆……なんて生活の人、本当に実在するのだろうか。   最近はお休みがあると専ら睡眠時間に費やしてしまう。酷い日には二日酔いで半日過ごしてしまうこともある(化粧を落とさないまま寝て後悔することがよくある)。外に出ればやる気が湧いてくるのに、家の中にいるとどうもオフモードだ。習い事・部活・アルバイト……「行けば楽しいのだけれど、行くまでが面倒臭い」という干涸びた状態に気を抜くとよくなってしまう。少しでも共感してくれる人がいるならば、嬉しい(仲間意識)。

レビュー

朝の通勤で読むならこれ!な、ショートストーリーズ『カフェでカフィを』

はじめてこの漫画を書店で発見した時、萩尾望都先生のエッセイ『思い出を切りぬくとき』(河出書房新社)の中にある「ホットコーヒーの話」を思い出した。   それは萩尾先生が学生時代に喫茶店でアルバイトをしていた時、外国人のお客さんに「カフィ」と注文され、「コーヒー」を「カフィ」と発音することを初めて目の当たりにし戸惑ったというお話だ。

レビュー

ファンなら絶対に読んでおくべき冨樫義博の不朽の名作『レベルE』を知っているか?

冨樫義博、という天才漫画家を知らない人はほとんどいないだろう。   大人気漫画『幽☆遊☆白書』『HUNTER×HUNTER』を手がけた作者であり、少年漫画界の歴史に残る、超有名な漫画家である。   しかし、彼の描いた作品で、(小学生のときに『HUNTER×HUNTER』の連載が始まった筆者の世代では)意外と広く知られていない名作が存在する。決して「面白くないから知られていない」というわけではないのだ。「めちゃくちゃに面白いのに、なぜか知名度がそこまで高くない」のだ。   それが、冨樫先生があの名作『幽☆遊☆白書』の連載終了後に手がけた『レベルE』という作品だ。