レビュー

本当の「善」と「悪」とは何か?『いぬやしき』で描かれる存在意義の観念について

何がいいことで、何が悪いことか。 みなさんには、これがすぐに判断できるだろうか? 私には、それがよくわからない。「いいこと」も「悪いこと」も人によって異なるからだ。 そんな私が最近読んだ『いぬやしき』という漫画がある。『GANTZ(ガンツ)』の作者・奥浩哉先生が手がけた人気漫画で、2017年にアニメ化、2018年には実写映画化もされた。 「身体がロボットになったヒーローが悪い奴を倒す、よくあるバトル漫画でしょ?」と思っていたのだが、それは大間違いだった。アクションというよりは、緻密な心理描写や、人間関係が描かれているヒューマンストーリーに近いかもしれない。

インタビュー

夫婦間の問題を生々しく描く『今日も拒まれてます~セックスレス・ハラスメント 嫁日記~』 新刊配信記念!ポレポレ美先生インタビュー

「セックスレス」。 他人にはオープンにしづらいデリケートな問題ながら、まんが王国では人気のテーマです。 そんなテーマに鋭く切り込んだ作品の1つ『今日も拒まれてます~セックスレス・ハラスメント 嫁日記~』も、まんが王国ではランキング上位に名前を連ねる人気作品となっています。 今回は、この作品の新刊配信を記念して、作者のポレポレ美先生に独占インタビューを行わせて頂くことが出来ました! ホンワカした絵柄とは裏腹に、赤裸々に、生々しく綴られた体験談。作品にかけた想いの強さが伝わる内容となっております。 新刊と併せて、是非最後までお楽しみください!

レビュー

「欲情」は悪いことじゃないけど、ときに相手を傷つける。十人十色の“性の目覚め”を描いた『中学性日記』

たいてい、若いころに思い悩んだことの多くは、10年も経つと笑い事になるものだ。「なんであんなことで悩んでいたのだろう」と不思議に頭をかしげるが、おそらくそこは必要な通過儀礼のようなものだったのだろう。 シモダアサミの描く『中学性日記』を読んでいると、そんな些細な悩みやコンプレックスで頭がいっぱいだった頃を思い出す。 当作品は、多くの男女が性に目覚める「中学生」という時期に焦点を当てたオムニバス形式の作品である。 思春期の彼らは、自分にも他人にも意識が過剰で、とても不器用で、不安定だ。不用意に傷つけたり誤解しあう姿にもどかしく思う人もいるだろう。しかし、きっと必ずどこかで「ああ、私も昔そういうことで悩んでいたよ」と言いたくなる瞬間があると思う(あなたがすでに「大人」であるならば)。

レビュー

『ゆるキャン△』あfろ先生のデビュー作『月曜日の空飛ぶオレンジ。』がカオスすぎる件

あfろ先生といえば、言わずと知れたキャンプ漫画『ゆるキャン△』の作者。2018年に放送されたTVアニメのヒットをきっかけに、原作の漫画を読み始めた人も多いことだろう。   だが、古参アピール乙と言われるのを覚悟の上で、ここは声を大にして訴えたい。   あfろ先生の漫画、『ゆるキャン△』以外も面白いから読んでください!!!   『ゆるキャン△』と同じ、山梨県が舞台の『mono』。『魔法少女まどか☆マギカ』のスピンオフ『魔法少女ほむら☆たむら ~平行世界がいつも平行であるとは限らないのだ。~』。死後の世界「煉獄」を描いた『シロクマと不明局』。日常ものはもちろん、シュールなギャグ漫画やSF漫画も手がける作風の幅の広さに驚かされる。   その中でも今回は、あfろ先生の記念すべきデビュー作、『月曜日の空飛ぶオレンジ。』を紹介したい。

まとめ

怖くはないけど、苦手な方は要注意?日常系の虫漫画3選

子どものころは虫が好きだったのに、大人になるにつれて苦手になってしまった人、いませんか? かくいう自分も、昔はミミズやバッタを平気で触っていたはずなのですが、今は家の中にカナブンが入ってきただけでもびびるようになってしまいました。 だけど、本や動画で見るぶんには大丈夫。というわけで今回は、作中にこれでもかと虫が出てくる漫画を紹介したいと思います。 どれも日常系の作品なので安心して読める……はずですが、虫の描写がやけにリアルだったり、嫌われ度ナンバーワンの「あの昆虫」が主人公の作品もあったりするため、ご注意ください。

まとめ

衝撃の問題作が集う!「BBコミック」で日常にスパイスを。

「BBコミック」って、ご存知ですか? 知らない方も多いかと思いますが、まんが王国だけで配信している描き下ろし作品のレーベル名です!   有名でないからって侮るなかれ。他の漫画雑誌ではなかなかお目にかかれないような、衝撃の問題作がこれでもかと揃っています。 「話題作は読み飽きちゃったし、ハラハラできる刺激的な作品、ないかな…」と思っているそこのあなた! BBコミックをオススメします!!

レビュー

映像化待った無し!? 冴えないリーマンの命がけ完全犯罪計画『マイホームヒーロー』

多分この作品、そう遠くない未来にドラマなり映画なり、映像化すると思っております。 もともと『サイコメトラーEIJI』、『シバトラ』など、朝基まさし先生の作品は読んでいたので、この作品の連載がはじまったときも「お!朝基先生の新作や!読んだろ!」くらいの軽い気持ちで読みはじめたのだが、怒涛のハラハラ展開に犯され、常に新刊を欲する身体になってしまった。 山川直輝先生(原作)、朝基まさし先生(作画)のタッグによる『マイホームヒーロー』を紹介したい。

レビュー

20年の時を超えてもなお輝き続ける名作『神風怪盗ジャンヌ』がスゴい

いや〜〜〜〜、すごい作品ですわ。   記事を書くにあたって、久々に、それこそ10年以上ぶりに読み返して、一言めの感想がそれだった。   単行本2巻目でアニメ化が決定し、売り上げ累計は全7巻にして500万冊を記録。   『キューティハニー』や『リボンの騎士』などからその潮流が生まれ、『美少女戦士セーラームーン』シリーズで広く一般化した“バトルヒロイン”なるジャンル。   その世界に新しい風を巻き起こし、りぼんっ子をワクワクとドキドキでいっぱいにした超名作。   もう世代のみなさんはもう分かりますよね!? 懐かしさにエモ爆発して倒れる準備はできてますか、アラサーのみなさん!!   そう、紹介するのは種村有菜先生の代表作『神風怪盗ジャンヌ』です!

まとめ

涙腺崩壊!一人きりのオフタイムに読みたい家族がテーマの漫画3選

我が家は涙もろい人が多い。小学生のころ「奇跡体験 アンビリバボー」や「3年B組 金八先生」など感動するテレビ番組を観て家族みんな鼻をすすっている風景が当たり前だった。その風景を見てどこか冷めていた私は出る涙も出ず、中学生のころまで「ドラマや映画で泣いたことがない」ということが密かな自慢であり意地になっていた。(今考えるとなかなか捻くれているなと思う。)その意地は大人になっても引きずられており、今でも映画館など人前で感動して泣くことには恥じらいを感じてしまう。