その“いいね”、本当にいいと思ってる? ネット中毒者に捧げる「SNSを止めたくなる漫画」3選

まとめ

皆さ~ん! 今日も、SNSに、溺れていますか~~~!!
いいねをもらって、なんだか満たされた気持ちに、なっていますか~~~~!!
 
上記すべてがブーメラン、5分に1度はツイッターを開いてしまう重度ネット中毒の筆者より、今回は「思わずSNSを止めたくなるマンガ」を3つご紹介します。
よかったら、ささやかなSNS断ちにご利用ください。

 

ゴミ屋敷とトイプードルと私

ゴミ屋敷とトイプードルと私
©池田ユキオ/小学館
 
まずご紹介するのは、顔、そして日常をもキラキラ加工しすぎて現実を直視できない女性のお話です。
 

 
「あすかはかわいいから」と、昔から親や周りに甘やかされて育った明日香。御年34歳、SNSでのキラキラ投稿がライフワークです。「すっぴんでゴメンなさい><」と恐縮しつつのつや肌加工された自撮り投稿、既視感がすごい。
 
「すっぴんですか!? キレイ!」「リングはもしかしてAMERの新作? 高そ~」と、容姿やブランド物を褒めるコメントを見ては、ゴミだらけの部屋でニヤリと笑います。
 

 
キラキラを保つためには、お金がいります。8万超のブランドバッグはリボ払い。
SNS映えのためだけに飼ったトイプードルは30万円。膨れ上がった借金は400万円。
それでも生活の質は落とせません。
 

(精一杯のSNSキラキラ投稿は、若い同僚たちの笑い話に)
 
しかし、そんなムリのある生活もキラキラ演出も長くは続きません。
カードの停止、若い同僚たちの陰口、家族トラブル。後半、ものすごいスピード感で人生を転落していく明日香の行きつく先は??
 
短いお話でサクッと読めますが、ラストの1コマはなかなかゾッとさせてくれます。
過剰なキラキラ演出。ほどほどにしような。
 

カースト・SNS

カースト・SNS
©有馬明香/マッグガーデン
 
「学校には、目に見えない空気の枠がいくつかあって、その枠ごとに許される自由が決まっている」
 
こちらは本作の一説。そんな“目に見えない空気の枠”ことスクールカーストを、SNSによって強制的に可視化されるお話が『カースト・SNS』です。
 

 
とある高校で、いきなり学校が発表した「学校SNS」の導入。このSNSには「生徒同士で、+1、マイナス1の点数をつけ合うことができる」という謎の機能があります。
 
この得点で生徒たちは日々ランキング化され、毎週月曜に最下位だった生徒には「机なしの最前列に移動」という公開処刑的ペナルティが課されます。学校が導入する制度にしては、仕様とルールが悪意に満ちすぎて怖い。
 
カースト上位からの転落、友人への不信感、自分をからかうクラスメイトたちへの復讐。
強制参加の超閉鎖的SNSによって、クラスの構図がじわじわと変化を遂げます。
 

(カースト上位だったエリカがクラスの“空気”でじわじわと最下位に追いやられる)
 
自分の居場所を守るために、それぞれが他人の粗を探す。
そして、ひとたび“ターゲット”を定まればSNSのグループや匿名掲示板でボコボコに叩く。この構図、マンガの世界に限った話じゃありません。
 

 
なおこのマンガは、ダークな学園マンガにありがちな「学級崩壊バッドエンド」にはなりません。スクールカースト、他人の粗探し、人間不信を増幅する装置としての学校SNS。そこに「くだらねぇ」と中指を突き立てるような爽快さもある作品なので、SNS上のネチネチしたコミュニケーションに心が疲れた人はぜひ読んでみてください。
 

リアルアカウント

リアルアカウント
©Shizumu Watanabe・Okushou/講談社
 
「SNSでフォローしている相手が死んだらあなたも死にます」

「でも相手はフォロワーがゼロになった時点で死にます」

「相手のために、あなたはフォローし続けられますか??」
 
そんなわけで、最後に紹介する作品テーマは「SNS×デスゲーム」です。
 

 
本作のタイトル『リアルアカウント』は、作中における「登録ユーザー数5000万人、国内最大のSNS!!」のことです。
学校に行けば、クラス中の生徒が“リアアカ”の話題で盛り上がるほどの人気ぶり。
 
しかし、ある日リアアカユーザー1万人が突然「ネット上のリアアカ空間」に転送され、目的不明のデスゲームに参加させられる! ……というお話、なんですけど。
 
このゲームが、マジでネット廃人泣かせでな。
 

 
最初のゲームは『リアルフォロワー診断』。プレイヤーが死ねばフォロワーは巻き添え死。フォロワーがゼロになったらプレイヤーは死亡。
そんな基本ルールのもと、「プレイヤーとなった友人、恋人、家族のために自分の命をかけてフォローを続けられますか?」と、ユーザー同士の絆を試すようなゲームです。
……絆て。
 

(2000フォロワーが秒でゼロに。まぁ、ほとんどの人がこうなるんですけど)
 
この後に続くゲームも、SNSに投稿する画像が“本当にいいねと思われているか”をジャッジする「悪いいね!ゲーム」や、すでに消してしまった過去の炎上投稿を暴く「黒歴史裁判」など。「とりあえずいいねしとくか~」と、知人の投稿に死んだ顔でいいねをつけがちな私への当てつけかと思いました。
 

 
注目欲しさに過激な投稿をする、正義を盾にネット上で人を断罪する、炎上を傍観して楽しむ。そんな愚かなSNSユーザー&ネット民へのアンチテーゼがこれでもかと詰まった本作。読んでいるこっちの胸中がデスゲーム。これを読んで、わりとガチで「ちょ、ツイッター止めようかな」って気持ちになりました。止めてないけど。
 
これを読んだところで「よーし、SNS止めるか~~!!」とは絶対なっていないと思いますが、いかがでしたか?? キラキラ演出で自滅し、人間不信になり、挙句デスゲームに巻き込まれるような超展開にならないよう、ほどほどの距離感でSNSを使っていきたいものですね。