ヒューマンドラマ

レビュー

誰だって夢を追える。田舎娘がアイドルを目指す『きらめきのがおか』を読むと生きる希望が湧いてくる

どこか、「夢を追う」という言葉は、若者の特権のようなイメージがある。大人になると、身分不相応な夢をもつことが、恥ずべきことのように感じられてしまう。「いい歳して……」なんて言われちゃうかもしれない。ほんとうはやりたいことがあったとしても、尻込みしてしまうかもしれない。   ゴトウユキコが描く『きらめきのがおか』は、そんな人生における夢を、いくつになっても、誰であっても、追いかけていいんだ、という勇気を与えてくれる作品だ。

レビュー

数学嫌いな文系にこそ読んで欲しい。数学の大切さが詰まった『はじめアルゴリズム』

昔から「数学」が嫌いだ。   いくら友達から「あの先生、教え方がめちゃくちゃ上手だから絶対大丈夫だよ!」と言われようが、根本的に数字と向き合うことが苦手なのだから仕方ない。   スーパーのセール品の値引率やクレジットカードのポイントの還元率、などなど。   日常生活を送る上で最低限必要な加減乗除さえできていれば、数学なんてできなくたって生きていけるのだから。そんな根っからの数学嫌いの私がふと表紙に惹かれて手にとった『はじめアルゴリズム』は、数学の観念を根本から覆す漫画だったのだ。

レビュー

麗しき女性バーテンダーが織りなすカクテル漫画『まどろみバーメイド』

お酒が、酒場が大好きだ。   心に残る1杯は疲労や悩みを打ち消してくれたり、旅の思い出になったり、人生を少し豊かにしてくれる。誰しもそんな記憶があるだろう。   お酒に関する豆知識やカクテルをめぐるさまざまな人間関係を描いた新感覚漫画、それが『まどろみバーメイド』だ。

まとめ

メンタルヘルスに効く奮闘エッセイ漫画3選

うつ病、パニック障害、統合失調症、過食症、拒食症、ヒステリック……これらの精神障害は、風邪などの病と同様に、いつだって私たちが当事者になりうるものだ。しかし、なったことがない多くの人々に、その症状の辛さや心境を理解してもらうのは難しい。「結局甘えなんじゃないの?」なんて辛辣なことを言われてしまう可能性だってある。   そんな当事者の孤独は、同じようにその病と向き合い戦う人たちの姿をみることで癒されるかもしれない。

レビュー

圧倒的な才能を持ったクラスメイトが有名になっていく。自分には才能があるのか、夢をかなえられるのか!?『アオイホノオ』

どんな有名人にも無名の時代はある。   そして、どんな人だろうと悩み・苦しみ・ときには笑い、悪戦苦闘するときがある。   それを人は青春と呼ぶのだと思う。   『アオイホノオ』はクリエイターとしての主人公の青春が詰め込まれた作品だ。   圧倒的な才能を持つクラスメイトとの比較に挫折・葛藤していく主人公の気持ちが痛いほどわかる。

レビュー

巧みな心理描写に引き込まれる!「普通」の男の子の波乱万丈な人生を描いた『おやすみプンプン』がすごい

思春期に何を考えて過ごしていたか……。   読者の皆さんは覚えていますか?   怒り。希望。恥じらい。反抗心…   多感な思春期にしか感じることができない気持ちや感情は、意外とたくさんあったよなぁ。なんてふと思うことがあります。心の中でモヤモヤと黒い感情が膨れ上がって胸が痛くなるあの感じは、大人になった今となっては懐かしいものです。

レビュー

人工の生物たちが繰り広げる近未来SF漫画『ディザインズ』

猫のように音を立てず街を駆け抜け、鳥のように空を飛べたら……。   自分自身に「動物の特性が身についていたら」なんて思ったことがある人、けっこう多いんじゃないだろうか。   そんな人間と動物のハイブリッドが戦う近未来SF漫画が『ディザインズ』だ。   描くのは、五十嵐大介先生。草花や風景、動植物などの自然物を描かせたら、いま漫画業界の中で最も上手な漫画家のひとりではないだろうか。

レビュー

平成感ある〜!! こういう青春時代のマンガを気軽に読めるのはいいですよね。 GALS読みながら平成カルチャーを思い返してみる的な。

ああ、平成が終わる。   ガラケーはスマホになり、消費税は8%になり、「いいとも」が「めちゃイケ」が、「おかげでした」が終わり、SMAPが解散し、安室ちゃんが引退する。   平成元年に生まれた筆者はまさに平成ど真ん中世代。自分のアイデンティティのひとつが終焉を迎えるにあたって、ふと思い出したことがある。   それは……ギャル。

レビュー

暗殺ピカレスクアクション『CANDY&CIGARETTES』少女と老人、 絆で巨悪に乗り込む

『COPPELION』の作者・井上智徳が現在連載している、少女と老人のアクション漫画『CANDY&CIGARETTES』。11歳の殺し屋少女と、元SPのじじいが相棒となって裏社会で戦う作品だ。ハードボイルドなじじいと、キラーマシーン少女の華麗さ。痛快すぎるので、今すぐアニメ化して動かして!

レビュー

神社・お寺・教会の後継ぎによる宗教コメディ『さんすくみ』

だいたい3人組、いわゆるトリオはなにかと創作物において、トラブルなり大きな出来事なりを起こしがちなのだ。『ズッコケ3人組』しかり、『絶対可憐チルドレン』しかり。   さて、これは宗教に関しても同じことがいえるのかもしれない。   今回紹介する『さんすくみ』は、神社、お寺、教会、それぞれの跡取り息子で幼馴染の若者3人組が繰り広げる、ドタバタ宗教コメディ漫画。