ありそうでなかった、リアルタイム家族漫画『よっけ家族』
年を取ると、食べ物の好みが変わるように、漫画の好みも変わってくる。 かくいう筆者も、かつては萌え漫画やラブコメ漫画ばかり読んでいたが(いまも読んでいるが)、最近は「家族漫画」にも手を出すようになってきた。 親子や夫婦、兄弟や姉妹の他愛ないやりとり。それらを眺めているだけでほっこりしたり、ときには涙さえ流すようになったのは、ひとり暮らしを始めて10年以上が経ち、自分の中で「家族」が「漫画の世界」だけの存在になりつつあるせいかもしれない。 『うさぎドロップ』や『よにんぐらし』など、これまでに数多くの「家族漫画」を手がけてきたのが宇仁田ゆみ先生。今回ご紹介する『よっけ家族』は、作者の出身地である三重県を舞台にした作品だ。