鈴木史恵 「鈴木史恵」の記事

レビュー

自分の気持ち、わかってる? 不器用なロリータ女子の成長譚『着たい服がある』

「自己肯定感」という言葉をTwitterなどで目にすることが多い。 というのはつまり、自分がそういうタイムラインを作っているということではあるのだが、書店の自己啓発本コーナーなどでもよく見かける言葉であるし、関心を持つ人が増えていることは事実だろう。 ありのままの自分を認めることに、程度の差はあれど、何らかの違和感を抱いている人が、少なからずいる。 今回紹介するのは、そんな人たちの、そんな人たちに向けたエールのような漫画だ。

まとめ

優しくフラットでファンタジック。谷和野作品の世界に浸る

谷和野(たに・かずの)氏の漫画はふわふわしている。 その作品世界では現実と非現実、正常と異常の境目があいまいにぼかされて、一定の温度になるよう均されているような印象を受ける。 その、不思議なのに淡々としている空気が、たまらなく魅力的なのだ。 2010年のデビュー以来、彼女が紡いできた作品をたどりながら、その独特の世界を紹介していきたい。

レビュー

笑えて泣けてやっぱり笑える。5歳のふじおの大冒険『サヨナラコウシエン』

「自分に子どもがいたら◯◯したい」という類の想像は、多くの人がすることがあるだろう。そして漫画好きであれば、「自分に子どもがいたら、この漫画を読ませたい」なんてことを考えるものだ。 『サヨナラコウシエン』(天久聖一)は、筆者の考える、最近の「もし自分に子どもがいたら読ませたい漫画」のひとつだ。

レビュー

新時代突入の今こそ読み時!『エロイカより愛をこめて』の華麗&硬派な世界にハマれ!

「長く続いている、長寿連載である」ことが最大の特徴として、読んだことのない人にも広く知られている漫画がいくつかある。 時代を経るごとに「タイトルだけは知ってる」という層が増えていく。「今さら手を出しづらい…」と思われてしまうのだ。 その気持ちはわかる。でも、長く読み継がれている作品には、それだけの魅力があるものだ。 今回紹介する『エロイカより愛をこめて』(青池保子)も、そんな長寿作品の一つである。

まとめ

夫婦円満のコツもわかる?福満しげゆき(とその妻)漫画が好きだ!

福満しげゆき氏の漫画が好きなのだ。 誰が何と言おうと好きなのだ。 …などと、なんとなく予防線を張っておきたくなるタイプの漫画家さんなのだが、とにかく好きなのだ。 最新作『診断の多い育児マンガ』の連載も好調な彼の漫画の魅力を、今回はこの場を借りて語らせていただきたい。

レビュー

史上最も「野球知らなくても面白い」球児漫画。『高校球児 ザワさん』

『高校球児 ザワさん』は、2008年から2013年にかけて「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載された作品。 野球の強豪校・私立日践学院高校の野球部に、マネージャーではなく選手として所属する唯一の女子部員・「ザワさん」こと都澤理紗(みやこざわ・りさ)と、彼女の周辺の人物を中心に、高校球児たちの3年間を描いた漫画だ。

まとめ

盛り上がってます。鑑賞作品選びの参考にもなる“映画漫画”3選

今回紹介するのは、実在の映画作品を扱った“映画漫画”作品。 このジャンルは、ガイド系漫画の中でも近年特に充実してきていると思う。 表現として漫画に近い部分もある(かつて、戦後日本漫画の黎明期を支えた大御所漫画家の多くは、そろって映画から強い影響を受けている)映画は、コンテンツのジャンルの中で漫画家が扱いやすい題材であること、また近年、電子配信を通じて既存の映像作品に触れることが気軽にできるようになったことが背景にあるのだろうと考えるが、漫画として楽しみながら、さまざまな映画についてちょっとだけ知ることができる作品が増えているのだ。 そんな中から、それぞれバラバラの個性を持った3作品をピックアップしたい。

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懐かしいから新しい。『星のとりで~箱館新戦記~』は“王道少女新選組漫画”だ!

女オタクの“必修科目”のひとつ、「新選組」というコンテンツ 女オタクの多くは、そのオタク人生のどこかで一度は「新選組病」を患うのではないかと思う。 歴史の変わり目にあった激動の時代という背景が、それだけで興味深いのはもちろん、その中で最後まで徳川幕府方として戦い抜いた立場や、局長・近藤勇、“鬼の副長”土方歳三、一番隊組長・沖田総司…といった人物たちは調べるほどにその魅力が浮き彫りになり、彼ら一人ひとりや、その関係性を活写した小説や漫画、映像作品が多数残されてきていることで、なんとなくとっつきづらい印象のある「歴史」というジャンルに足を踏み入れるきっかけとして最適なコンテンツだからだろう。 『星のとりで~箱館新戦記~』(碧也ぴんく)は、女性向け漫画雑誌「WINGS」(新書館)で連載中の作品。

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楽しく数学アレルギーに立ち向かう!『数字であそぼ。』

「数学」、というか「数字」、好きですか?  筆者は率直に言って、「数字」が苦手である。 学生の時、具体的には高校2年時の「数学B」で初めてテストで一桁の点数を取り、通知表に5段階評価で「1」がつくという体験をして以来、「自分は数学ができないタイプの人間だ」という確信を抱いており、以来「数学的な気配のするもの」一切を遠ざけながら、「私、数字ダメなんだよね~」と自分にも他人にもヘラヘラと開き直ってここまで来た。 しかし、いい大人になると結構…「数字ダメなんだよね~」では済まされない局面が、たびたび訪れる。そのたびに、自分は欠陥人間のような気がして凹んでしまうのだ。 そんな境遇にある大人たちにぜひ読んでほしいのが、『数字であそぼ』(絹田村子)だ。

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それは果たして恋愛か?『窮鼠はチーズの夢を見る』に読む、男と女の形

月9ドラマ化された『失恋ショコラティエ』で一躍有名になった水城せとな。 実写映画化作品『脳内ポイズンベリー』、幻想的なドラマ『放課後保健室』『黒薔薇アリス』、「イブニング」(講談社)にて連載中の最新作『世界で一番、俺が○○』など、代表作と呼べる作品を多数持つ彼女だが、個人的に現時点でのお気に入りを一つだけ挙げるとこの作品――『窮鼠はチーズの夢を見る』シリーズになる。