ヒューマンドラマ

レビュー

「ホラー漫画界の鬼才・伊藤潤二が描く、太宰治の『人間失格』の衝撃」

「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。」   太宰治の代表作『人間失格』を読んだことはあるだろうか。   太宰がこの小説を書き終えた1ヶ月後に女性と入水自殺していること、主人公と太宰のあいだにある共通点が多いことなどから、彼の「遺書」だと言われることも多い作品である。   私はこの小説が好きで今までに2〜3回ほど読んでいるのだけれど、読むたびに新しい魅力を発見できるのが『人間失格』のすごいところだと思う。   「『人間失格』の読者には「主人公が自分と似ている」と思う人も多いのだ」という話を聞いたことがあるが、これは私も何となく分かるような気がする。

まとめ

「1巻で読み切れる傑作は?」と聞かれたら即答する漫画3選!

「おすすめの漫画はなんですか?」 これは書店員をやっていて訊かれる質問ランキング上位に入る。 ご来店されるお客さまだけでなく、家族、友達、初対面の人にも尋ねられることも多い。 この質問は答えるのが難しい。薦めたい漫画はものすごくたくさんあるから。もちろん訊いている本人たちは悪気がなく、純粋に「どの漫画を読めばいいのか」を知りたいのだと思う。商業コミックは月に1000点近く新刊が出続けているので選び方がわからないのは当たり前だ。 だから私は常に、すぐ答えられるものを何パターンかで用意している。

まとめ

優しく懐かしい誰かの(非)日常、山川直人の世界

「好きな漫画」と一口に言っても、いろんな「好き」の種類があると思う。 「とにかく誰が読んでも200%名作だから全人類絶対読んで!!」と鼻息荒く大声でオススメしたくなる作品もあれば、「すごく好きなんだけど、好きすぎて、軽々に人に教えたくない…でも多くの人に知ってほしい…」と思うようなタイプの作品もある。 筆者にとって、今回紹介する山川直人作品は、後者寄りの漫画である。

まとめ

衝撃の問題作が集う!「BBコミック」で日常にスパイスを。

「BBコミック」って、ご存知ですか? 知らない方も多いかと思いますが、まんが王国だけで配信している描き下ろし作品のレーベル名です!   有名でないからって侮るなかれ。他の漫画雑誌ではなかなかお目にかかれないような、衝撃の問題作がこれでもかと揃っています。 「話題作は読み飽きちゃったし、ハラハラできる刺激的な作品、ないかな…」と思っているそこのあなた! BBコミックをオススメします!!

レビュー

さえない中年女が若手バンドに恋をして……『たそがれたかこ』は不器用な人へ送る応援歌

中年の恋愛だとか、若い男に夢中になる話だとか。 『たそがれたかこ』はそんな簡単な話ではない。   実年齢に精神年齢が伴わず、焦ったり後悔したり諦観したり、そんな中でふと「生きること」への活路を探す、不器用な大人全員をボコボコに殴ってくる作品なのだ。

レビュー

好きで選んだはずの仕事でも圧倒的な現実の前に心は疲れる 『編プロ☆ガール』

漫画誌の休刊の報が相次ぎ、いよいよ出版業界もヤバいのではないかと思われる方も多いかと思われますが、この業界はもう20年ほども“出版不況”だと言われ続けておりまして、それでもどうにかこうにか生き長らえてまいりました。しかしここ数年の不況ぶりは格別で、やはり確実にこの業界は衰退しているのです。

その他

今週のまんが名言vol.18 おんなのいえ/鳥飼茜 より

29歳からの人生仕切り直し。そこに立ち会う母と妹。女ばかり3人家族の物語『おんなのいえ』 30を前に同棲していた恋人に振られ人生設計ガタガタの有香に、妹のすみ香と東京で同居するようにとの「母親命令」が下される。 すみ香の代わりに断りに行ったキャバクラの面接で、うっかり採用されてしまう有香。 不満をぶつける有香にすみ香が言うひとこと。

レビュー

自分らしい生活って?アラサー女子のバイブルがここにあった『セクシー田中さん』

絵に描いたような幸せまでは求めないけど、それなりに堅実に、不幸にならないように。   大体60点くらいの人生が送れたらそれでオッケー。   景気が上向きになってきたとはいえ、将来はいつだって不透明。   だから普通の生活を求めるのは主として正しいのかもしれない。だけど、どこかもやもや……。   安定した生活を求める自分に対して、少しでもわだかまりを感じる人に読んでもらいたいのが『セクシー田中さん』です。

レビュー

1本の映画を観るような読書体験。 読み応え満点の不思議なオムニバス『まがいの器~古道具屋奇譚~』

毎日の過ぎていくスピードが速すぎる、と感じることはないだろうか?   …それは年を取ったからでは?と言われてしまうと返す言葉もないのだが、それだけではなく、秒ごとに更新されるSNSのタイムラインに押し流されるように生活しているような気がして、(自らそういう環境を作っているし、もちろんそれによって便利になっている部分もあるが)少し息苦しいと思うことがある。

レビュー

誰だって夢を追える。田舎娘がアイドルを目指す『きらめきのがおか』を読むと生きる希望が湧いてくる

どこか、「夢を追う」という言葉は、若者の特権のようなイメージがある。大人になると、身分不相応な夢をもつことが、恥ずべきことのように感じられてしまう。「いい歳して……」なんて言われちゃうかもしれない。ほんとうはやりたいことがあったとしても、尻込みしてしまうかもしれない。   ゴトウユキコが描く『きらめきのがおか』は、そんな人生における夢を、いくつになっても、誰であっても、追いかけていいんだ、という勇気を与えてくれる作品だ。