少女漫画

まとめ

痛くて、苦しくて、優しい。戸田誠二作品で生々しい「生」に触れる

自分の能力や、置かれている境遇や、日々の生活に、十分な自信を持てる人は、あまり多くないと思う。将来への不安にさいなまれたり、大小さまざまな失敗を気に病んだりしながら、どうにか毎日をやり過ごしている。人前では明るく振舞いながら、そんな閉塞感を抱えている人は、決して少なくないはずだ。 今回取り上げる戸田誠二さんは、素朴で実直な作風でそんな「パッとしない大人」の心にそっと寄り添ってくれる漫画家だ。 彼のデビュー作から最新作まで、3つの作品集を紹介したい。

レビュー

『こどちゃ』作者・小花美穂が描く、怖いけど読みたくなるトラウマ漫画『パートナー』

私が小さいころ家の近所にレンタルビデオ店GEOがあった(今もあると思う)。 そこでは当時流行っていたコメディ映画「マスク」が壁一面に並べられていた。私はあの頃、「緑に塗られた外国人の顔」が怖くて怖くて、大泣きしたのである。それ以来GEOに一人で行った記憶がないし、平気になったのは大人になってからだと思う。 子供の時のトラウマは、なかなか忘れられないものがある。 今回紹介する『パートナー』は私にとっての初めてのトラウマ漫画である。怖くて泣いたとまではいかないが、しばらく近所の本屋の『りぼん』のコーナーに一人では近寄ることができなかった。

レビュー

ヴィレヴァンで青春時代を過ごした大人に。思い出せトキメキ!『恋文日和』

遊べる本屋「ヴィレッジヴァンガード」は私の大好きな本屋の一つだ。(愛知県出身としては発祥の地が名古屋ということが誇りである。) 小学校の時は見てはいけないような大人の世界にドキドキしながら、中学校の時は雑貨を前に友達とゲラゲラ笑いながら、高校の時は好きな人と趣味が合うかソワソワしながら、大学の時は面白い漫画をリサーチしにワクワクしながら遊びに行っていた。

レビュー

大人も子ども浸りたい、淡くおだやかな世界。『奈知未佐子短編集 ~思い出小箱の15粒~』

人が「面白い」と感じる漫画の条件はなんだろうか? いろいろな考え方があると思うが、例えば漫画という表現の魅力を「キャラクター」「ストーリー」「演出」の3要素に分解して考えた場合、この三者のバランスが良い作品、もしくはどれか1つか2つが突出している作品が「面白い」漫画になる、というのはひとつの基準ではないかと思う。 そして、特に大勢の人に支持される作品は、(もちろん上記3要素がそろっているパターンが多いのだが)特に「キャラクター」が強いことが多い。 逆に言えば、キャラクターを立てずに魅力的な漫画を、それも商業のフィールドで描くことは、とても難しいことなのかもしれない。

レビュー

全国の小学生を女装男子好きにした罪深い漫画『少女少年』をあらためて読んでみた

小学生のころ、私は小学館の学年別学習雑誌を購読していた。この字面ではピンと来ないかもしれないが、「小学○年生」という名前の雑誌といえば分かってもらえるだろう。 名前通り、「小学一年生」から「小学六年生」までの6種類があり、進級するごとに買う雑誌を変えていくという仕組み。しかし、発行部数の減少などの事情により現在は「小学一年生」を除いてすべて休刊していることを知り、時代の流れを感じてしまった。 それはさておき。当時の「小学六年生」で連載されていて、今もときどき本棚から単行本を取り出して読み返すほど思い入れが深い漫画がある。やぶうち優先生の『少女少年』シリーズだ。

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18年前の「りぼん」でアンドロイド彼氏!ぶっ飛び設定の『電動王子様タカハシ』

©亜月亮/集英社 毎月18万部発行されている少女コミック誌「りぼん」。(SHUEISHA AD NAVIより) 世の中には一体どれだけの「りぼんっ子」がいるのだろうか。 世代ごとに思い出の作品が異なり、飲み会で「なんの世代?」なんて盛り上がることができるのは長く愛されてきた雑誌だからだと思う。 かくいう私は「りぼんっ子」だ。 1990年代後半から2000年代前半にかけてが私の現役りぼんっ子時代だった。

まとめ

一度読んだら、始めずにはいられない!? 趣味の“きっかけ”漫画4選

秋は気温も落ち着き、過ごしやすい季節。また、食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋というように、いろんなことに取り組みたくなる時期でもあります。 日ごろから「なにか趣味を始めたい」「新しい自分を開拓したい」と思ってはいても、実際のところ何が面白そうなのかは自分だけではわからないことも多いですよね。そんなときには、まず漫画を読むことから始めてみるのはどうでしょうか?今回は、主人公が夢中になっていることを読んでいる自分もつい始めたくなってしまう……そんな“きっかけ”漫画を紹介します。

レビュー

この号泣は義務教育レベル!『フルーツバスケット』を読んだことがない友人に読ませてみた

もし自分が親になって子どもができたとき、子どもに読ませたい漫画としてどれを本棚におくか。   ひとたび漫画好きが集まれば、「『SLAM DUNK』は義務教育」「『あさきゆめみし』を読めば古文は安心」「『銀の匙 Silver Spoon』で食のリテラシーを高めたい」と様々な意見が飛び出す。   とある友人は、息子の身長が140cmくらいになったら届く高さに桂正和先生の『電影少女』を並べたいと言っていた。素晴らしい親心である。   さて、いろんな作品が候補に上がるなか、この名前を出すとほぼ全員が「ああああ〜〜〜わかる」と納得する作品がある。   高屋奈月先生の『フルーツバスケット』である。

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70年代の一条ゆかりを見よ。華やかな女たちの愛憎劇『デザイナー』

カッコいい女を描くのは難しい。 多くの男性は勝気すぎない女性を好むイメージがあるし、男性から好かれたいという前提がないにしても、自分自身の「強さ」を信じ、気高く強くあり続けられる女性は多くはない。 漫画の主人公になりやすいのは読者の多くが共感できる、あるいは応援したくなるキャラクターだろうから、どうしても「強い女」を描くことに主眼を置く漫画は珍しくなるのだろう。 今回は、そんな女と女の壮絶で激しい戦いを描いた1970年代の作品を取り上げたい。

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ヤンキー漫画の常識をくつがえした『今日から俺は!!』は、癒し系ほのぼの青春コメディーである

『今日から俺は!!』という西森博之先生が描いた伝説的人気漫画をご存知だろうか。 最近でも、2018年10月から実写ドラマが放映することが話題となったため、名前だけでも聞いたことがある人は多いと思う。 しかし、本作を読んだことがない人たちからすると「あー、あのヤンキー漫画でしょ?」くらいの予備知識しかないんじゃないだろうか。いや、絶対そのはず。でもね。 それが、違うんです!!! 『今日から俺は!!』は、ただのヤンキー漫画ではないんです!!! というわけで今日は、1人でも読者を増やすために、『今日から俺は!!』の魅力について紹介したい。本当にみんな読んでほしい。それくらい好きなんですよ……。