「恋愛結婚 or お見合い結婚、幸せはどちらにある??」
なんて、タイトルからいきなり愚問ですいません。でも、今から出てくるのは「恋愛結婚では幸せになれない」と信じて迷走お見合い婚活をする女性なんですよね。
そんな漫画『カツカレーの日』です。以下どうぞ。
お見合い結婚を選ぶ理由は、「恋愛結婚では幸せになれないから」
大手ゼネコンに勤務するOL・美由紀(28)は、2年間同棲した彼氏に突然別れを告げました。
売れない劇団員の彼とは、恋愛と同棲はできても結婚はできない。彼は美由紀との結婚を望んでいますが、彼女の意思は頑なです。
自分の両親が大恋愛の末に結婚するも、たった5年で離婚。
その経験がトラウマとなり、「恋愛で結婚してしまうと、愛がなくなれば家庭が維持できない」という想いが美由紀の中で強くなってしまいました。
そこで、彼女は「結婚向きな男性」を見つけるためにお見合いを始めます。
ターゲットは「大卒、年齢は前後5歳くらい、年収500万以上、身長165センチ以上、転勤のない職種」を満たす人。
この条件にマッチするなら、恋愛できるような相手じゃなくてもOKです。
一方的に話を進める銀行員、重度マザコンのイケメンや、まともに会話ができない超内向的な研究者。
どうにも微妙な男たちと立て続けに会ってがっかりするも、粘り強くお見合いを続けること5回。美由紀は、ついに(いろんな意味で)運命の彼と出会います。
区役所勤務、野田さん(35)。
美由紀の「結婚の条件」を次々とクリアし、特に大きな魅力もないけど欠点もありません。まさに、理想の結婚相手。
そう思いたい美由紀は、1回目のお見合いのあと、野田さんとのお付き合いを決めます。
一方こちら、美由紀から一方的に別れを告げられ家を追い出された元カレの一法師くん。
美由紀だって、一法師くんが嫌いになって別れたわけではありません。彼女も、心の奥底では「自分の選択が正しいのか?」と不安を抱えていました。
その不安を無理やり振り払うように、一法師くんを突き放し、野田さんとの ”トキメキも不安もない無難なデート” を重ねます。
元カレ、婚約者、そして現れる謎の男……
美由紀の胸をザワつかせるのは、一法師くんの存在だけではありません。ここで現れる第三の男。
なんとなく立ち寄ったブックカフェで書き込み自由のノートを見つけた美由紀は、なんとなくお見合いの愚痴をそこに書くようになりました。
するとある日、美由紀の愚痴に「お前さんがどんだけ高い女なんだよ」と辛辣な返事が書き加えられます。
その日から、ノート上でふたりの言い合いがスタート。
やがて、ふたりは対面します。
現れたのは、美由紀の親ほど年が離れた男。名前は高橋。美由紀が務めるゼネコンの社員でした。
高橋にお見合いや元彼、そして自分の結婚観について話す美由紀。
すると、高橋は「その元彼はあんたに本気だぞ」と声をかけ、その言葉にまた美由紀の心は揺れます。
自分の人生経験から、美由紀の核心をつくようなアドバイスをしてくれる高橋。
頼もしいですよね。見た目もワイルドでかっこいいですよね。
さらに仕事への情熱もあるんですよね。いい男ですよね。
だから気持ちは分かるが、美由紀、お前はなにがしたいんだ????
一法師くん or 野田さんかと思えば、この後みるみる高橋への依存度を増す美由紀。
最後に美由紀が選ぶのは誰なのか。
2巻完結の短いお話なので、ぜひ彼女の迷える婚活を見届けてください。
結婚のカタチに正解はありません。
だからこそ、自分で考え、”心から納得のいく選択”をする必要があるのだと、迷い続ける美由紀の姿から学ばせてくれる作品です。
『カツカレーの日/西炯子 小学館』