夏に向けて読んでおこう 褐色肌ヒロインの魅力を味わえる漫画特集

まとめ

褐色肌のヒロインは、昔から漫画作品の花形。メタな話だと、そもそも褐色キャラはトーンが面倒くさく、漫画家の負担が非常に大きい。それなのに増えつつあるということは、作家側が褐色っ子に思い入れがあり、読者も求めているからだ。
 
今もホットな褐色少女キャラを何人かご紹介。

 

スポーツ系日焼け少女の純情『ぼくたちは勉強ができない』

 

ぼくたちは勉強ができない
©筒井大志/集英社
 
理系の天才だけど、文系は壊滅的にできない緒方理珠。文系の天才だけど、理系は何一つできない古橋文乃。極端すぎる女の子たちに、平均的に頭のいい秀才の少年・唯我成幸が勉強を教えるハメになる、教育ラブコメディ。
 
彼が受け持つことになった担当の1人、武元うるか。中学時代からの友人で、あらゆる水泳の大会で優勝をかっさらう天才的運動神経の持ち主。勉強は笑えないほど何もできない。唯我の荷は、あまりに重い。
 
うるかの通称は「白銀の漆黒人魚姫」つまり、最高の日焼け跡の持ち主。水泳で鍛えられた身体は、細くてしなやかで健康的。
 

 
明るくてコミュ力が高く、素直で純真。男女問わず周囲のみんなに愛されている。基本バカなので小難しく考えないのがいいらしい。
 
と同時に、彼女が唯我のことを好きなのは、割とみんなにバレバレ。なかなか告白できない、唯我は昔からの友人くらいにしか思っていない……。
 
作中の女の子たちの中でも、かなり正ヒロインルートな彼女。スポーツ日焼けショートカット娘がメインヒロイン級になるのは、意外と漫画では珍しいので、この手の女の子が好きな人はマストリード。
 

理想のギャルがここにいます『ギャルごはん』

 

ギャルごはん
©太陽まりい/白泉社(ヤングアニマル)
 
近年のギャルキャラブームの権化のような作品。作者が理想のギャルを描こうとした結果生まれたキャラクターが、岡崎みく。人生を最高に謳歌し、コミュ力モンスターであり、自分に正直で、かわいくありたいというギャル観が全部詰まっている傑作キャラクターだ。
 
家庭科教師の矢部真司の元に、お菓子の調理法を学びに来た岡崎。ところが料理知識は全くなく、実習は大失敗。
 
普段から、周りに期待されていなかった彼女。ギャルな見た目のせいもあってビッチだと囁かれ、怖がられて距離を置かれることすらあった。熱血漢の矢部は、彼女をそのままにできないと思い、成功するまで実習を手伝うことに。かくして矢部と岡崎の料理研究部が発足する。
 

 
2人で作業している時、色々とからかいを仕掛ける岡崎。単純に楽しいからだ。しかし彼女自身はとてもウブ。恋愛系イベントが起きると途端にヘニャヘニャになる。2人きりの部活が続く中、岡崎の矢部への恋心がどんどん膨らんでいく。休日よりも部活で矢部と一緒にいたい。部活が終わってももっと一緒にいたい。うーん乙女だ。
 
太陽のように明るい褐色ギャルが、先生の前で赤面する様子は必見。下着を見られても平気なのに、間接キスを恥ずかしがる彼女の気持ち、わかってよ矢部先生。
 

そして彼女は幾度も死んでいく『サマータイムレンダ』

 

サマータイムレンダ
©田中靖規/集英社
 
両親を亡くした慎平を引き取ってくれた小舟家。一緒に過ごし、家族同様だった小舟潮が、死んだ。葬式に戻ってきた時、彼は何者かに殺害される。
 
誰かが死ぬのを防ぐため、何度も死んで時間を遡る、タイムリープホラー
 
潮の妹のが、日焼け跡がくっきり残る褐色少女。言うなれば慎平にとっても妹みたいな存在で、家族だ。元気いっぱいの彼女は、自転車で慎平のところまで走ってきて、海に突っ込んでぱんつを見せる。ラブコメ的にはニヤニヤシーンだが、これが何周もするうちに「死」を回避するパラレルの鍵になっているので、だんだん笑えなくなってくる。
 

 
慎平に恋心を抱いている澪。やんちゃな彼女もお祭りの日には、浴衣をまとった美人な姿に。もっとも慎平は色々な人が死ぬのを見ているので、それどころじゃない。日焼け少女は明るいイメージを持たれがちなだけに、恋がなかなか実らず、姉が死んだ寂しさと戦う澪の感情は、見ていてしんどい。
 
途中では包丁を持った冷酷な顔の澪も登場。どういうことなのかは、本編でぜひ。
 

徒手空拳でアイドル業界を生き抜くKカップ『はぐれアイドル地獄変』

 

はぐれアイドル地獄変
©高遠るい/日本文芸社
 
沖縄出身の南風東海空は、110センチKカップを持つ19歳の女の子。歌手を目指しているものの、歌が壊滅的に下手。空手の達人の彼女、百人組手AVで全ての男優を倒し、本番を回避。グラビアアイドルとしてデビュー。青少年から絶大な人気を誇るようになる。
 

 
度々彼女はエロトラブルに遭遇するが、この作品アイドル物でありつつ、業界裏のエロスをネタにし、同時に格闘漫画でもあるので、半裸or全裸バトルシーンに発展することがとても多い。元新大関にレイプされるのをかけて、多くの人の前で戦ったりするなど、命がけな場面も多々。
 
R18ではないが、それ以上とも言える過激なシーンがてんこ盛り。褐色肌に鍛えられた筋肉、巨乳を揺らしながら強力な相手と戦う様子は、生命の神秘すら感じてしまう。6巻ではテレビの企画として、大人数の女子が集まる格闘大会に出場。格闘色がさらにアップしている。
 
なお彼女と、恋人の女性とのまぐわいの様子は、肌の色のコントラストがエロティックなので、ぜひ楽しもう。
 

褐色少女、ダイエットに挑戦『ダンベル何キロ持てる?』

 

ダンベル何キロ持てる?
©サンドロビッチ・ヤバ子/MAAM/小学館
 
女の子たちの日々を追いながら、正しい筋トレ方法を学ぶことができる知識系漫画
 
17歳の紗倉ひびきは、食べ歩き大好き女子。というか食べる量が尋常じゃなく多い。であるがゆえに、ちょっと太ってしまった。観念してスポーツジムに行った所、そこで働いていたトレーナーの街雄に一目惚れし入会することに。
 
元気っ子やギャルと微妙に異なる、普通の女の子が金髪褐色というのが実にいい。しかもムキムキなのではなく、ちょっとぽっちゃりして贅肉があるのは、褐色キャラとしてはかなり珍しい。
 

 
筋トレ仲間に、奏流院朱美という黒髪ロング白肌お嬢様がおり、対比になっているのもうまい。また友人の上原彩也香はボクシングジムの娘で、超引き締まった筋肉の褐色娘なのも対称的。
 
筋トレ解説ページは不自然なほどセクシーに描かれているので、そのあたりの需要も満たしてくれまする。やったぜ。
 
「褐色」は元気な子の日焼けギャル外国の人、という記号であるのは、今も昔も変わらない。
 
そして褐色ヒロインは、かなり割合で美とフェティシズムのこだわりが詰まっている。褐色肌は筋肉のツヤを目立たせ、身体の丸みを強調し、汗や水をより色っぽく見せるからだ。
 
褐色女性たちは基本活発なので、太陽を想起させる。ぜひ今後もメイン級ヒロインとして、漫画を明るく照らす存在として増えてほしい。
 
 
ぼくたちは勉強ができない/筒井大志 集英社
ギャルごはん/太陽まりい 白泉社(ヤングアニマル)
サマータイムレンダ/田中靖規 集英社
はぐれアイドル地獄変/高遠るい 日本文芸社
ダンベル何キロ持てる?/サンドロビッチ・ヤバ子 MAAM 小学館