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シュールでブラックな世界に酔う。逸品少女ギャグ『サディスティック・19』

『サディスティック・19』(立花晶)は、1992~1998年に「花とゆめ」(白泉社)等の誌上で連載された作品。 タイトルと表紙イラストを見ただけではどんな漫画なのか全く想像できないが、少女漫画らしく華やかで整った画風に反して、本作はギャグ漫画…それも、かなりどうかしているギャグ漫画である。

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痩せれば幸せになれ……る? 美への執念と歪みを描くダイエット漫画

記事をご覧の、特に女性の皆さん、ダイエットの経験はありますか? 巷でたびたび〇〇ダイエットが話題になるのは、「痩せればキレイになる」と信じる女性の多さを物語っています。一方、「痩せ」への盲信からの過剰なダイエットによって摂食障害やウツを発症する人もいます。 『脂肪と言う名の服を着て』にはまさに、太っていることが原因で人生につまずき、「痩せればキレイに、幸せになれる」と、過剰なダイエットに挑戦する女性の姿が描かれています。が、この作品は「ダイエットによる人生大逆転シンデレラストーリー」ではありません。

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あなたの服選びはどのタイプ? ファッション×女の群像劇『あたらしいひふ』

服はその人の人となりを表す重要なツールだ。   ゆる巻きパーマにパフスリーブのブラウスにフレアスカート__ なんて出で立ちの人は「女性らしさ」が印象づけられるし、   パタゴニアのウインドブレーカーにKEENのサンダルを履く人を見ると「アウトドア系なのかな」と思ったりする。

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借金まみれの専業主婦の「リアル人生ゲーム」 大人×高校生の新感覚コミック『プロミスシンデレラ』

「大人×高校生」をテーマにした恋愛漫画は王道中の王道。   これまでに数多くの作品が生まれてきたし、これからもきっと生まれていくだろう。   橘オレコ先生の『プロミスシンデレラ』も、そんなド鉄板の組み合わせが主軸のひとつ。

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結婚相手を政府が決める世界を描いた『恋と嘘』。必死に恋をする少年たちの究極の恋物語。

最近、最後にときめいたのっていつ?   なんて聞かれて「余計なお世話だバカヤロー!」と思ってしまうこともあるんじゃないだろうか。いや、単純に筆者がそうなだけなんだけど。   でも、真剣に思い返してみると、一つだけ思い当たる節があった。   それは『恋と嘘』という、ムサヲさんが描いている漫画作品。

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愛されることは気持ち悪いし、セックスは気持ちよくない。“ふつうの幸せ”に中指を立てるような『ひもとくはな』という作品

目を見て「好きだよ」と言ってくれて、困ったときは助けてくれて、いつだって私のことを大切に考えてくれる。少女漫画の王子様は、いつだって優しい。それがSっ気のある素直じゃない王子様だとしても、結局最後は助けてくれるし、根本的には主人公のことが好きだったりする。

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死はお涙頂戴劇ではない。『女の子が死ぬ話』

例えば、大切な人が重い病気で、余命がわずかだということをいきなり知らされたとする。 あなたは何を思うだろうか。   「できるだけすぐに会いに行きたい」「会いに行きたいけど、相手のやつれた姿を見るのが怖い」「私に病気のことを知らせなかったのは、向こうが会いたくないと思ってるからなのでは」……このように、さまざまな思いが浮かぶと思う。   では次に、自分が『死ぬ側』だったらどうだろうか。

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ドラえもんの生みの親は、その人生で何を思った? 藤子・F・不二雄『未来の想い出』

「漫画の神様」手塚治虫をはじめ、「仮面ライダー」シリーズの原作者として現在もクレジットされる石ノ森章太郎、「おそ松さん」「深夜!天才バカボン」等の新アニメシリーズで話題を呼ぶ赤塚不二夫…と、いわゆる「トキワ荘出身作家」たちは、今もなお強い存在感をもっている。

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心を込めて読み上げたい!劇中劇からハマる『ガラスの仮面』

一般的に「ごっこ遊び」は何歳までするものだろうか?『ガラスの仮面』は、いい年した大人でも「ごっこ遊び」をしたくなってしまう漫画だ。   読んだ後には必ず、姿勢を正し、胸を張り、腹式呼吸の良い声でセリフを読み上げたい衝動に駆られる。まずはご近所迷惑にならない声で1回。いや、今のセリフじゃ伝わらない。抑揚をつけてもう1回。ダメだ、魂がこもっていない……!こんなんじゃ紅天女にはなれない!