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共感多数。男女のリアルな“すれ違い”を描いた『恋のツキ』って知ってる?

ここ数年、大物芸能人や政界の人物など、世間を騒がす “不倫”報道が増えましたね。今やどんなマジメそうな人でも、裏で何をしているのか見えない世の中だと感じるばかりです。テレビや雑誌を見て「私なら絶対にそんなことはしない!」なんて思っていたそこのあなた。不倫はダメでも、“浮気”や、“乗り換え”は、アリ派ですか?世間からは悪く見えるけど、自分にとっては純粋な恋だと疑わないものだったら、どうしますか?『恋のツキ』は、そんな恋心と浮気心の狭間でゆれ動く気持ちを描いた作品。たかが漫画とあなどるなかれ。リアルな現実を正面から突き付けてくる痛々しさと、「この気持ち、わかる!」と思わずにはいられない共感性の強さをぜひ味わってみてほしいです。

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「なんで一生懸命働かないといけないの?」という疑問に対する一つのアンサーが『働かざる者たち』にはあった

「働きたくない」が口癖になったのは、いつからだろう。ちょっと疲れると「働きたくない」とぼやきつつ、なんだかんだ言って仕事をするのはやめていない。というよりは、やめる勇気がない。来月の家賃が払えなくなるからだ。むしろそれ以外に何か理由あるかな、と思う。もし明日5億円手に入ったら、私は仕事をしているのだろうか。

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幽霊でも、妖怪でもない。本当のおぞましさを描いた傑作ホラー漫画『ギョ』を知っているか

「人がもっとも恐れるのは、自分の理解を超える存在である」 という言葉を、どこかで聞いたことがある。 確かに言われてみれば、自分と思考回路が全く違う人間にまくし立てられるのは怖いし、何を考えているのか分からない人のことも「怖い」と感じたことがある。 さらに言えば、歴史上で繰り返されてきた差別だって、それが元で起きた争いだって、相手のことが分からないし、理解ができなくて恐ろしいから起きたことなんじゃないか、って、そんな風に思ったこともある。

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大人も子ども浸りたい、淡くおだやかな世界。『奈知未佐子短編集 ~思い出小箱の15粒~』

人が「面白い」と感じる漫画の条件はなんだろうか? いろいろな考え方があると思うが、例えば漫画という表現の魅力を「キャラクター」「ストーリー」「演出」の3要素に分解して考えた場合、この三者のバランスが良い作品、もしくはどれか1つか2つが突出している作品が「面白い」漫画になる、というのはひとつの基準ではないかと思う。 そして、特に大勢の人に支持される作品は、(もちろん上記3要素がそろっているパターンが多いのだが)特に「キャラクター」が強いことが多い。 逆に言えば、キャラクターを立てずに魅力的な漫画を、それも商業のフィールドで描くことは、とても難しいことなのかもしれない。

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新米刑事と大泥棒が手を組んで事件解決!? ドラマも放送中の漫画『ドロ刑』

名探偵シャーロック・ホームズのそばにワトソンがいるように、犯罪や事件を追うストーリーが軸となった作品では、主人公が相棒とタッグを組んで行動することが多い。例えば、映画『探偵はBARにいる』シリーズの大泉洋と松田龍平だとか。ドラマ『トリック』では仲間由紀恵と阿部寛がコンビになっていたし、人気アニメ『TIGER & BUNNY』もそう。『相棒』という、その名もズバリなドラマもある。ドラマや映画ばかりの例で恐縮だが、このように、主要キャラクターが2人1組になって活躍する作品を“バディもの”などと呼ぶ。

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「死にたい」と思って1度本当に死んでしまった絵描きは、なぜ再び生きようと思ったのか。『死んで生き返りましたれぽ』

あなたには「死にたい」と思ったことがあるだろうか。 「明日テストなのに勉強しないで寝落ちしてしまった」 「就活で内定がでない」 「仕事でとんでもないミスをした」 「人間関係が下手すぎて生きていける気がしない」 軽いものから切羽詰まったものまで「死にたい」と呟いたことがある人は多いはずだ。 そして、『死んで生き返りましたれぽ』の作者・村上竹尾先生も、そんな「死にたい」と思っていたひとりだった。 ただ、村上先生が他の人と違うのは、1度リアルに「死んだ」ところだ。

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登山中に遭遇した猿が鉈を持って襲ってきたら、あなたはどうするだろうか? 『モンキーピーク』

あなたは登山をしたことがあるだろうか? もはや観光名所と化している富士山には登ったことがあるかもしれないし、そこでは学生がサンダルとジャージで登っている光景を目にしたことがあるかもしれない(そして、それはとても危険な行為なのでやめましょうね。死ぬぞ)。

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連載終了から24年、未だ色褪せない『幽★遊★白書』は何度読んでも愛が深まるばかりの名作だよねという話

正直なところ、少年漫画でよくある「バトル漫画」には、あまり興味がなかった。 ギャグ漫画だと思って読んでいた作品が突然シリアスなバトルシーンに入ったりすると、「早くこの戦い終わらないかなぁ」と思うくらい、興味がなかった。 そんな私の価値観を根底から覆した漫画がある。バトル漫画の面白さ、見所を教えてくれた作品がある。 知らない人はほとんどいないであろう、冨樫義博先生が手がけた超有名作品『幽★遊★白書』だ。

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ゆるふわマニアックな80’s学園SF『究極超人あ~る』は文化系人間の聖典だ

『究極超人あ~る』は、1985年~1987年に「週刊少年サンデー」誌上で連載された作品。 90年代には『機動警察パトレイバー』『じゃじゃ馬グルーミンUP!』、近年も『白暮のクロニクル』『でぃす×こみ』『新九郎、奔る!』などを発表し、常に第一線で活躍している漫画家・ゆうきまさみの初期代表作だ。 ゆうき作品はライトな読者とコアでマニアックなファンの両方を幅広く抱えていると思うが、本作はとりわけ、後者のコアでマニアックで熱心なファンが多い作品だ。 今回は、『あ~る』の魅力をひもときつつ、その理由を探ってみたい。

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全国の小学生を女装男子好きにした罪深い漫画『少女少年』をあらためて読んでみた

小学生のころ、私は小学館の学年別学習雑誌を購読していた。この字面ではピンと来ないかもしれないが、「小学○年生」という名前の雑誌といえば分かってもらえるだろう。 名前通り、「小学一年生」から「小学六年生」までの6種類があり、進級するごとに買う雑誌を変えていくという仕組み。しかし、発行部数の減少などの事情により現在は「小学一年生」を除いてすべて休刊していることを知り、時代の流れを感じてしまった。 それはさておき。当時の「小学六年生」で連載されていて、今もときどき本棚から単行本を取り出して読み返すほど思い入れが深い漫画がある。やぶうち優先生の『少女少年』シリーズだ。