テラハじゃないけどドラマはある。シェアハウスが舞台のマンガ3選

まとめ

「え、シェアハウス?? テラスハウスみたいな感じ??」

 
各地のシェアハウスを転々とする生活の中で、筆者がいちばん聞かれがちな質問です。
シェアハウスでの暮らしがいまいち想像できない。
そんな方に向けて、本記事ではシェアハウスを舞台にした3つのマンガをご紹介します。

 
シェアハウスでの恋愛を描いた(NOTテラハな)ラブストーリーから、「ノンフィクションか??」と錯覚するほどリアルな女性シェアハウスマンガまで。ぜひシェアハウス暮らしの一端を垣間見てください。
 

<この男子、シェアハウスで小説書いてます。>

 

この男子、シェアハウスで小説書いてます。
©Soubi Yamamoto・CoMix Wave Films Inc./星海社・講談社
 
ミステリ作家の銀山町(かなやま まち)は、担当編集者の刎上(はねじょう)に恋愛モノの執筆を突然言い渡されます。
 
「32歳童貞に、恋愛モノなんて書けるわけない」
 
そう言って執筆を拒否する町。しかし、刎上は町の家を勝手にシェアハウス化して、アクの強いメンツとの共同生活を強要します。編集者のアクがいちばん強い。
 

 
シェアハウスの同居人は、計4名。
 
周りから哀れまれる喪女の商社OL・シヤ(28)
 
弟キャラで百人切りハンターのチャラ男・のぼり(23)
 
町の小説をボロクソにけなす毒舌女子高生・あさひ(16)
 
そしてなぜか、バツイチワーカホリックの編集者・刎上(年齢不詳)
 
現実的にはいろいろ問題のある組み合わせですが、みんな楽しそうにしているので気にしないでください。
 

 
男女共同シェアハウス、女の勢力が強くなりがち。
リアリティは薄いですが、ゆる~いシェアハウス(いちおうラブ)4コママンガです。たまに挟みこまれるラブコメ展開も楽しみながらご覧ください。
 

<カカフカカ>

 

カカフカカ
©Takumi Ishida/講談社
 
続いての作品も、いちおうシェアハウス恋愛モノです。
が、惚れた腫れたの単純ラブストーリーではありません。
 

 
主人公の亜紀、開始2ページでこの展開。
社会における居場所も、愛し合えるパートナーも、引っ越すお金も持っていない亜紀は、友人が紹介してくれたシェアハウスへ入居することになります。
 

 
このシェアハウスでまさかの再会を果たした相手が、本行智也。中学の同級生であり、初交際&初体験のお相手です。
本行にシェアハウスの案内をしてもらっている最中、キッチンの棚から鍋が落下。
 

 
本行が、とっさに亜紀をかばって鍋をキャッチ。
ここで「トクン…///」のラブコメ展開、かと思いきや。
 

 
勃起する本行。慌ててキレる亜紀。そりゃな。
 
実は、ここ2年ほどずっとEDだった本行。
精神的にもかなりしょげていた中、亜紀にだけはすんなり反応したことに驚きます。
原因不明のEDを治癒するためには、亜紀だけが唯一の希望。
 

 
こうして、本行との共同生活&ED治癒に協力する日々が始まります。
が、ここはシェアハウス。住んでいるのは当然この2人だけではありません。
 
住人にとっては、ただでさえ住人同士の恋愛沙汰はめんどくさいもの。
その上、本作には本行を盲信的に愛する女住人・あかりも登場します。
 
本行と亜紀のハグや添い寝(あくまで治療行為)を目撃して、あかりは亜紀を牽制するように。め、めんどくせぇ。
 
戸惑いを覚えつつも、「自分だけが本行の特別」であることに存在価値を見出す亜紀。
亜紀にふれあいを求めながら、いまいち感情の読めない本行。
そして、2人を取り巻くめんどくさい住人たち。
 
ちょっとややこしいシェアハウス生活と、人間のこころの機微を楽しめる作品です。
 

<地獄のガールフレンド>

 

地獄のガールフレンド
©鳥飼茜/祥伝社フィールコミックス
 
シェアハウスは、テラスハウスなんかじゃない。
最高に居心地のよい、底なしのぬるま湯である。
 
そう痛烈に突き付けてくれるのが、女3人(+子1人)のシェアハウス暮らしを描いた『地獄のガールフレンド』です。

 
シェアハウスの舞台は、超モテ子のデザイナー・奈央(36)が持つ一軒家。
ひとりで住むとゴミ屋敷になってしまうため、奈央は市役所の掲示板に「同居人募集」の張り紙をします。
 
そこに集まったのは、こちらの女性2人。
 

 
バツイチで4歳の男の子を持つシングルマザー・可南(31)。
正論で可南を言いくるめ、まったく家事を手伝わない夫と離婚しました。
 
どこに行っても「お母さん」と呼ばれ、シングルマザーが恋をすることは許さないような世間の空気に閉塞感を覚えています。
 

 
長く住んだアパートの取り壊しが決まり、シェアハウスに行きついたOL・悠里(28)
会社では女に見られず、恋愛経験も7年前に付き合っていた既婚者のみのセカンドバージンです。
 
まったく繋がりもなく、しいていえば「友達がいない」という共通点しかない3人。
 
それでも、女3人揃えばもう、おしゃべり、愚痴、共感、酒とつまみが止まりません。
 

 
若さと衰え、モテ非モテ、性欲、恋バナ、会社や仕事での小さなモヤモヤ。
20代後半~30代なら共感せずにはいられないトピックが、次々と彼女たちの酒の肴として消費されていきます。「あぁもう分かる分かる!!」と頷く首が赤べこ状態。
 

 
この女同士の心地よさに溺れていくと、「恋愛への意欲が減少する」という弊害が発生します。これはマジ。
 
その危うさにいち早く気付いたモテ子の奈央。
慌てて合コンに行くも、参加していたのは愛人を作りたいだけのキザなオッサンで、散々な目に遭います。
 

 
そんな残念イベントのあとは、井戸端会議がはかどるはかどる。
3人の女が愚痴も不安も欲求も代弁してくれるこのマンガ、読者にとってもデトックス効果抜群です。これを読んでシェアハウスに住みたくなる人、絶対にいると思う。
 
以上、シェアハウスマンガ3作でした。
 
ラグジュアリーではなくとも、シェアハウス生活にはいろんな楽しさとドラマが詰まっています。ぜひその様子を感じてもらって、よければシェアハウス暮らしもご検討ください。楽しいよ!

この男子、シェアハウスで小説書いてます。/山本蒼美 星海社・講談社
カカフカカ/石田拓実 講談社
地獄のガールフレンド/鳥飼茜 祥伝社フィールコミックス