小学館

レビュー

「自由」をつかんだはずの中年漫画家が抱える孤独感。『零落』

あなたは、漫画家という職業に憧れることがないだろうか。 絵を描いているだけでお金をもらえる。毎日満員電車に詰まって会社に行かなくてもいい。好きな時間に仕事ができる。理不尽な上司もいない。 漫画家に限らず、アーティストやミュージシャンといった「フリーランス」で働く人に、憧れをいだく方は多いのではないか。 私もそのひとりだ。 しかし、『零落』を読んでしまうと、漫画家に対する認識がかなり変わる。自由に仕事をすることで払う代償は、大きい。

まとめ

「1巻で読み切れる傑作は?」と聞かれたら即答する漫画3選!

「おすすめの漫画はなんですか?」 これは書店員をやっていて訊かれる質問ランキング上位に入る。 ご来店されるお客さまだけでなく、家族、友達、初対面の人にも尋ねられることも多い。 この質問は答えるのが難しい。薦めたい漫画はものすごくたくさんあるから。もちろん訊いている本人たちは悪気がなく、純粋に「どの漫画を読めばいいのか」を知りたいのだと思う。商業コミックは月に1000点近く新刊が出続けているので選び方がわからないのは当たり前だ。 だから私は常に、すぐ答えられるものを何パターンかで用意している。

まとめ

優しく懐かしい誰かの(非)日常、山川直人の世界

「好きな漫画」と一口に言っても、いろんな「好き」の種類があると思う。 「とにかく誰が読んでも200%名作だから全人類絶対読んで!!」と鼻息荒く大声でオススメしたくなる作品もあれば、「すごく好きなんだけど、好きすぎて、軽々に人に教えたくない…でも多くの人に知ってほしい…」と思うようなタイプの作品もある。 筆者にとって、今回紹介する山川直人作品は、後者寄りの漫画である。

まとめ

編集者の視点で選ぶ! 本づくりに情熱をかける“本のオシゴト”漫画3選

ここを読んでいるあなたは、人並み以上には漫画が好きですね。でも、漫画がどうやって出来上がるのかは、知らない人も多いのではないでしょうか?今回は、本を愛す人にこそ読んでもらいたい、本ができるまでを描いた作品を紹介します。出版・編集と聞くと、華やかなイメージもあるかもしれませんが、じつは作業のほとんどが地味なもの。それでも、編集者と作者の間で生まれる困難や、人間ドラマがたくさんあります。そんな“本のオシゴト”の魅力を、編集者でもある筆者の視点と併せて紹介したいと思います。

レビュー

不良×ケンカ×茶道部!?異色の茶道漫画『お茶にごす。』が異常に癒される

「茶道漫画」と聞くと、うっかり「何やらおてんばでちょっぴりドジだけれど、まっすぐで一生懸命な女子高生がお茶の道を極めて行く」漫画を想像してしまう自分がいる。多分これはものすごい偏見なのだけれど。 しかし、最近その偏見をぶっ壊されるような漫画に出会った。 「悪魔」と呼ばれるほどの強さを持つ不良少年が、茶道部に入部する漫画『お茶にごす。』だ。

レビュー

食べる理由は好きな人を忘れるため!グルメ×コメディー漫画『忘却のサチコ』

忘れたくても、忘れられないことがある。別れてしまった恋人のこと、過去にした恥ずかしい失敗、他人から言われた嫌な言葉。辛い記憶はやっかいだ。一度思い出してしまうと、なかなか頭から離れてくれない。さらには、気分を沈ませたりもする。乗り越えるためには、一体どうしたら……。   解決策は人それぞれ。阿部潤先生の『忘却のサチコ』では、主人公サチコが好きだった人を忘れるために、美味しいものを食べる。ひたすら食べる。といっても、やけ食いをするわけではない。“絶品を堪能する”という幸せな体験を通じて、辛い記憶を忘れ、一歩前へ進もうする。『忘却のサチコ』は、そんなサチコの姿を描いた、1話完結のグルメ・コメディー漫画である。

その他

今週のまんが名言vol.31 土竜<モグラ>の唄/高橋のぼる

潜入捜査官・菊川玲二の極道サクセスストーリー『土竜の唄』からの名言! モグラ(潜入捜査官)の菊川玲二が、極道の世界で成り上がっていく、痛快アクションコメディ。 玲二が万引きした女子高生に厳しく言った言葉。 万引きをした女子高生に、店主がいたずらをしていたことを見破った玲二。その悪行から救うために無罪放免にするが、罪をしっかり自覚させるべくかけたひとこと。 さらに玲二はいたずらをしていた店主に対して、「人の事をゴミだなんて言う人間こそ、本当のゴミなんじゃないのか」と厳しく詰め寄り、過ちを認めさせた。

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驚異の死体遭遇率!イケメンモデルの謎解きミステリ『重要参考人探偵』

友達みんなで「あれ読んだ!?」と考察にワイワイはしゃぐ漫画もいいけれど、たとえばカバンの奥に常にあって、手持ち無沙汰の時に何度でも読み返せるような漫画も素敵だな、と思う。 絹田村子先生の作品は、私にとってそんな空気を持つものばかりだ。スッと日常のそばにいて、静かに心に入り込んでくる。 今回紹介するのは、とある不幸な体質を持つ男の、すこし不思議で恐ろしいミステリ漫画『重要参考人探偵』である。

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虚々実々の歴史ミステリー・エンタテインメント! 宗像教授に民俗学を教わりたい! 

知的興奮を味わいたい! 歴史の謎に迫る漫画を読みたい! 荒唐無稽な神話や伝説の影に隠れた歴史の真実を知りたい! 繋がらなかった二つの謎がパッとつながる瞬間が好きだ! 歴史のそこここに潜むあやしいもの、オカルト風味が好きだ!   そんな人に私がおすすめしたいのが『宗像教授』シリーズです。

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ヤンキー漫画の常識をくつがえした『今日から俺は!!』は、癒し系ほのぼの青春コメディーである

『今日から俺は!!』という西森博之先生が描いた伝説的人気漫画をご存知だろうか。 最近でも、2018年10月から実写ドラマが放映することが話題となったため、名前だけでも聞いたことがある人は多いと思う。 しかし、本作を読んだことがない人たちからすると「あー、あのヤンキー漫画でしょ?」くらいの予備知識しかないんじゃないだろうか。いや、絶対そのはず。でもね。 それが、違うんです!!! 『今日から俺は!!』は、ただのヤンキー漫画ではないんです!!! というわけで今日は、1人でも読者を増やすために、『今日から俺は!!』の魅力について紹介したい。本当にみんな読んでほしい。それくらい好きなんですよ……。