最近、最後にときめいたのっていつ？   なんて聞かれて「余計なお世話だバカヤロー！」と思ってしまうこともあるんじゃないだろうか。いや、単純に筆者がそうなだけなんだけど。   でも、真剣に思い返してみると、一つだけ思い当たる節があった。   それは『恋と嘘』という、ムサヲさんが描いている漫画作品。

例えば、大切な人が重い病気で、余命がわずかだということをいきなり知らされたとする。 あなたは何を思うだろうか。   「できるだけすぐに会いに行きたい」「会いに行きたいけど、相手のやつれた姿を見るのが怖い」「私に病気のことを知らせなかったのは、向こうが会いたくないと思ってるからなのでは」……このように、さまざまな思いが浮かぶと思う。   では次に、自分が『死ぬ側』だったらどうだろうか。

「漫画の神様」手塚治虫をはじめ、「仮面ライダー」シリーズの原作者として現在もクレジットされる石ノ森章太郎、「おそ松さん」「深夜！天才バカボン」等の新アニメシリーズで話題を呼ぶ赤塚不二夫…と、いわゆる「トキワ荘出身作家」たちは、今もなお強い存在感をもっている。

山東ユカ先生は、アニメ化もされた『スパロウズホテル』など、ブラックジョークを交えたギャグ4コマの名手として知られている。一筋縄ではいかないキャラクターたちが織りなす会話劇は、一度読んだら癖になること間違いなし。   なかでも本作『カテゴリ・テリトリ』は、山東ユカ先生のセンスがいかんなく発揮された傑作。

フェチと漫画は、切っても切り離せない関係にある。 そりゃ、「脚フェチ」くらいだったら、現実の脚を眺めれば足りるのは当然だが、例えばフェチが「オムツを履いたスライム」だった場合大変だ。 その対象は、現実に存在するわけがない。当然である。 つまり、現実離れしたフェチズムの持ち主は、必然的に創作の世界に依存せざるを得ないのだ。