青年漫画

レビュー

絶望を経験した全ての人たちに送るラーメン漫画『ラーメン食いてぇ!』

日本の国民食、ラーメン。   そんなラーメンを題材にして、「もう駄目だ」と思うくらいの絶望を経験したすべての人に送る、ぜひ読んでほしい名作がある。   群馬県の小さなラーメン屋の1杯をめぐって、さまざまな人々の「生きる意志」が折り重なるハートフルストーリー、それが『ラーメン食いてぇ!』だ。

レビュー

『KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ』日常系の主役になれない死刑囚の少女たち

日常系作品の世界は、漫画好きが憧れる世界の1つだ。友達と過ごすゆるふわな日々の幸せ。 『KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ』は死刑囚が集められた女子監獄の物語。凶悪犯だって日常系でゆるふわしたい! …というコメディの皮をかぶった、リアルを描く劇薬的な作品だ。

レビュー

血が沸騰するような熱を感じたければバシ漫画を読め! 『バシズム 日本橋ヨヲコ短篇集』

人生観を変えられるような、価値観を揺さぶられるような、そんな漫画や漫画家に出会うことがある。 日本橋ヨヲコは筆者にとってその一人で、おそらく、読んだ人の「特別な作家」になる確率の高い漫画家であると思う。   今回取り上げるのは、彼女のデビュー作を含む初期短編集『バシズム 日本橋ヨヲコ短篇集』だ。

レビュー

俺の母さんがこんなに可愛いわけがない…! 『大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック』

男子たるもの、どんな人にも多少なりともマザコンの気があるもの。   実家に帰れば、なんだかんだで母親の健康や体調に気を使ってしまったり、 社会人としての姿を褒められるとつい嬉しくなってしまったり……。   僕はマザコンか、といわれると反射的に「違うわ」と言いたくなるものの、ハッキリと否定できないタイプの男子です。

レビュー

思春期の「イタさ」の追体験『さよーならみなさん』

︎『さよーならみなさん』は、読んでいてちょっと辛くなる。鬱展開である、という意味ではなく、己の黒歴史を掘り返してしまったときのような辛さだ。 思い出してみてほしい。学生時代、クラスにいつも1人で行動しているちょっと「めんどくさい」奴はいなかっただろうか。1人でずっとブツブツ何か言っていたり、自分が世界で1番不幸だと思い込んでいたり、そういうタイプの人だ。

レビュー

飯がうまいからって仕事が進むわけじゃない。食材も調理過程も全部イカれたグルメ漫画『めしにしましょう』

そこは、漫画家广大脳子(まだれだいのうこ)の仕事場。   敏腕アシスタントである青梅川おめがは、料理の腕も一級品。作業の合間の飯は彼女が作る。過酷だと言われる漫画家の仕事場で出る料理、きっと疲れた漫画家の胃を優しく癒す素材や、徹夜を手助けするエネルギー満点の料理を出すのだろう。そして、元気になった漫画かはまた仕事場に戻るのだ……。

レビュー

失敗を受け入れてくれる人がいることの尊さ『どうして私が美術科に!?』

現代は、とにかく「失敗」が許されない世の中だ。   SNSで不用意な発言をしようものなら、即炎上。会社の上司は「失敗を恐れるな」と言うくせに、本当に失敗すると「何をやってるんだ」と怒られる。つらい。   そんな社会に息苦しさを感じている方にこそ、『どうして私が美術科に!?』をおすすめしたい。